広島市北部の被災は人災だ。

 ニュースで流れる被災地の映像を拝見する都度、砂防堰堤の欠片も見られないことに唖然とする。住宅地が山の斜面まで迫れば表土が真砂土でなくても、豪雨の場合に災害が予想されるのは誰の目にも明らかだ。
 ニュースのMCたちは広島市の住宅地が阿佐区に広がったためと、いかにも不動産の乱開発であるかのようにコメントしているが、それらの住宅も然るべき宅地造成法や建築確認などの手続きを経ている。行政当局が知らないうちに、勝手に住宅が乱立したのではない。

 行政手続きを経た住宅が表土崩壊の土石流で破壊され、肉親が変わり果てた姿になるとは誰も思っていなかっただろう。それなりに「安全基準」が満たされ、安全が確保されていると思っていたはずだ。
 しかし現実には表層崩壊により土石流が住宅地を直撃して尊い命が多数奪われた。そこは戦地ではなく、平和な日本国内の平和な住宅地だ。

 安倍氏は現実的な脅威でない外国軍に怯えるかのように『集団的自衛権』を閣議決定して、闇雲に国家の武装化を憲法改正なしに、つまり国民的な法手続きに基づく合意形成なしに実行しようとしている。しかし国民の生命と財産を脅かす現実的な脅威は外国軍ではなかった。
 なぜ過去にも表土崩壊による土石流の痕跡のある地域に住宅開発が許可されたのか。そして住宅がそうした土地に建ったなら、専門家たちはなぜ行政に『砂防堰堤』の設置が急務だと進言しなかったのだろうか。今になって「過去に土石流の痕跡が見られる」などと評論しても亡くなった人たちの命は戻らない。専門家バカとはこのことだ。

 せめて『砂防堰堤』が設置されていたなら、と悔やまれてならない。泥水に浸かるのは避けられなかっただろうが、土石流の直撃は回避できたはずだ。たとえ1分でも2分でも時間が稼げたなら、一階で寝ていた人たちが二階へ避難したなら泥土に埋まらないで済んだだろう。
 『砂防堰堤』が山の中腹から何段にも設置されていたなら、土石流は麓まで到達していなかったかも知れない。安倍氏は集団的自衛権の必要性を説くにあたって何度も「国民の生命と財産を守る、キリッ」と演説したが、自然災害という敵に日本は毎年のように攻撃されている。その都度何人もの「犠牲者」を出している。
 国土強靭化と称した安倍氏の政策によりどれほどの予算を使って何がどのようになったのか、明らかにして頂きたい。もはや広島市北部の被災は自然災害ではなく、人災というしかない。


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