自動車、この不完全な乗り物。

 文明の利器とはいえ、自動車ほど反人類的な乗り物はないだろう。日本だけでも年間7千人以上も自動車事故で亡くなっている。傷ついている人たちは数十万人もいるはずだ。
 文明の利器は人類に利便性を与え人類の生活に寄与すべきものだが、人類を傷つけ命を奪ってはならない。それのみならず空気を汚染し、貴重な地球資源を浪費している。消費エネルギー当たり移動効果は考えるまでもなく自動車は最悪だろう。

 しかし利便性と自由度の高さから高額にして短期間の消耗性という大きなマイナスがあるにしても人類はT型フォード登場以来、自動車に夢中になってきた。豊かさの証明として高額にして希少な自動車を所有する特殊な自意識の強い人たちまで登場した。本来、自動車は位置移動手段であったはずだ。いわば歩いていた移動機能を機械的に数百倍も拡大する機器に過ぎない。
 だが自動車が不完全な機器であることに変わりない。人類に奉仕すべく造られたはずの機器が人類を不幸のどん底に突き落とす。昨日、大阪御堂筋で暴走した自動車が複数の人たちを傷つけた。それはある意味、自動車の移動機器としての不完全性を現した事故だった。

 自動車製造に関わるすべての人たちに猛省を促したい。あなたたちの製造した機器が人類を傷つけ大気を汚染し化石燃料をガバ呑みしている。位置移動の利便性と自由度で自動車に勝るものはないにせよ、それがどの程度の反人類性の範囲で許容されるものなのか、を真剣に考えるべきだ。
 昨日の不幸な事故は運転者の低血糖値による意識障害によるものだったのではないかと推測されているが、運転者が個体差の大きな個々人に全権が委ねられている現実に恐怖しないではおられない。数日前の薬物吸引後の暴走運転により若い中国女性の命が奪われた事件ではナイフが自動車に代わったに過ぎない。凶器として使われたといっても良いだろう。運転した薬物吸引者にこそ責任があるのは勿論だが、自動車に責任はないと100%言い切れるだろうか。

 グーグルが自動運転自動車を開発している、というニュースが駆け巡ったばかりだ。日本のトヨタなども道路の白線を認識して自動運転する車を開発している。追突するのを防ぐシステムは実用化され、そのシステムを搭載した車はすでに走っている。
 これから益々高齢化する。しかも地方では車を手放すことはできない。自動車が人類に奉仕する機器として人類を傷つけない知能を獲得することも困難ではないはずだ。ただ自動車製造者たちが本気で取り組んでいないだけだ。やろうと思えば糖尿病などの発作により意識を失った運転者を車が認識して車の内外に警告音を発するなどして自動停車するシステムを開発するのはそれほど困難ではないはずだ。

 前方の状況を認識して停止する自動車の運行システムを搭載することも不可能ではないはずだ。前方に人や自転車や障害物があると警告音を発して自動車を停止させることも不可能ではないはずだ。運転する人が不完全な人で、それを機器が補完するという思想を自動車製造者たちは持つべきだ。
 さらに、太陽光発電を使って水の電気分解により水素を大量に作り、水素で走る自動車に切り替えるべきだ。燃料電池車などというレアアースや複雑な化学反応を制御するシステムを搭載する車を開発しないでも、既に日本には水素で走る車がある。

マツダのロータリーエンジンだ。なぜ日本政府は世界人類に胸を張ってマツダのロータリーエンジンを推奨しないのだろうか。マスメディアも積極的に取り上げないのはそれにより他のすべての自動車メーカーやガソリン精製事業者が打撃を蒙ることから、反ロータリーエンジン連合を形成しているのかも知れない。しかし、それは人類の進歩を妨害することに他ならない。
 マツダにロイヤリティを支払ってでも、世界の自動車業者はロータリーエンジン搭載の水素自動車にすべて切り替える、という方向を目指すべきだ。少なくとも、大気汚染の元凶の一人から運転者を開放することになるし、化石燃料を消費し続ける愚行から運転者を開放することになる。水素は太陽光発電を利用した水の電気分解で造れば良い。せっかく発電した直流電流を何も交流に変換する必要もない。そうした水素製造プラント造りに、日本政府は乗り出すべきだ。石油は日本にないけど、太陽光はふんだんにあるし、それは世界にも平等に降り注いでいる。1%の石油メジャーに支配されている人類を開放するためにも日本政府は真剣に取り組むべきだ。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。