政治家の使う『安全』は科学者の使う『安全』の概念とは異なる極めていい加減なものだ。
原子力規制委員会は川内原発の『安全性』が確保されたとして、再稼働を容認するとした。しかし安全性に関して<－－菅義偉官房長官は、規制委に「安全かどうかの判断を委ねる」と発言している。が規制委員会会長の田中氏はどう考えるのか、という質問に対して
◆安全はゼロリスクと誤解される。政治的に分かりやすいから「安全」と言ったのかもしれない。政治家の言うことと私の言うことは同じではない>(以上『毎日新聞』引用)と返答している。
科学者としては当然のことだ。科学的な言葉で表現すれば安全性を判断する前提条件に対して何パーセント安全といえる、という想定に対する安全度で示すしかない。百パーセント安全だという科学技術はこの世に存在しない。
改めて強欲な原子力ムラの住人たちの存在を認識する一日となった。福一原発でこれほどの放射能漏れ事故を起こしていながら、今も原発再稼働を策すとはなんという執念だろうか。彼らの思考回路には『畏怖』という観念は微塵もないようだ。
川内市の街頭でインタビューする映像をテレビで流していたが、人それぞれの立場により賛否両論あるのは人の常だろう。原発に依存する経済圏内で暮らす人たちにとっては再稼働は願ってもないことだろうが、原発と直接的なかかわりなく暮らしている川内市民にとって再稼働は迷惑千万なことでしかない。
そして川内市民でない一般の日本国民である私たちはどのように考えるべきか。それにはまず、科学的な意味での『安全』は政治家が使う言葉の『安全』という概念と異なるということを忘れてはならない。科学者が使う『安全』という言葉は百パーセントの安全性を示しているのではない。
それは相対的に『安全』の比率が高い状況にある、という判断の一つに過ぎない。だから想定外の事態が起これば原子炉は破壊されるし放射能は原子炉から噴出することも十分にありうる、ということだ。
そうしたことを政府は地域住民に説明したのだろうか。一旦そうした事態に到れば放射能汚染された故郷を捨てて移住するしかないことは福一原発周辺の現状を見れば一目瞭然だ。
何よりも原発再稼働に反対する理由はまず第一に、福一原発は地震発生時に原子炉が異常事態に陥り、オペレーションルームから所員が先を争って職場放棄して逃げたということだ。その原因調査は全く行われず、津波により地下に設置していた非常電源のディーゼルエンジンが使用不可能になり艘電源停止による原子炉冷却停止によって核燃料が溶解したとする事故の筋書きで処理している危険性を指摘しなければならない。
いうまでもなく大きな釣鐘のような原子炉本体とその中を無数に走る熱交換の最先端の細管との地震振動周期が異なるのは改めて指摘するまでもないだろう。その振動周期の異なる部品が接合している部分が断裂する可能性があるのは誰も否定できないだろう。
第二に、全国の原子炉建屋内の使用済み燃料格納プールには使用済み燃料棒が満杯に格納されている、という事実だ。それは福一原発4号炉の爆発事故により露わになった。
日本国内には使用済み核燃料処理工場はない。いままではフランスに送って処理してもらっていたが、フランスでも処理中に出る放射性物質の廃棄処理場を巡って厳しい世論が起こり、日本からの使用済み核燃料の処理を受け入れるのが困難になっている。だから使用済み核燃料が全国の原発に満杯状態で溢れている。いわば原発は便所のない高級マンションだ、と比喩されてきたが、まさしくその通りの状態にあることを国民は理解すべきだ。
そして再稼働に反対する最後の理由はこれ以上負の遺産を未来の国民に負わせてはならないということだ。放射能種によっては半減期が1万年や中には10万年というものもあって、最終処分場が出来たとしてもどうやって1万年も最終処分場を維持・管理するのだろうか。
文化的に切れ目なく延々と続いている日本ですら、僅か千数百年前に書かれた古事記や万葉集を原文のまま読める人は古典学者を除いては皆無といって良いだろう。その10倍以上の歳月をどのようにして子々孫々に『放射能最終処分場』の維持・管理マニュアルを伝えるのだろうか。ヒエログリフの解読の世界の話と同様のことになりかねない。
断じて原発を稼働してはならない。単なる発電装置の一つに過ぎない原発に国家政府がなぜこれほど拘泥するのか理解できない。そもそも地域的にも歴史的にも広範な影響を与える放射能物質を発電装置に利用するのが間違っていたのだ。
それが『安全』にして『安価な電力供給』装置だから、という大嘘を平気で経産省や歴代政府が国民に説き、その宣伝に文化人や芸能人が幾許かのギャラに釣られて登場して国民を扇動した。国家として大嘘を国民に吐いていたことを恥じて、原発をすべて廃炉にする、と宣言する潔さは原子力ムラの札束に掻き消されてしまったのだろうか。なんともだらしなくも浅墓な官僚たちと政治家たちだ。
◆安全はゼロリスクと誤解される。政治的に分かりやすいから「安全」と言ったのかもしれない。政治家の言うことと私の言うことは同じではない>(以上『毎日新聞』引用)と返答している。
科学者としては当然のことだ。科学的な言葉で表現すれば安全性を判断する前提条件に対して何パーセント安全といえる、という想定に対する安全度で示すしかない。百パーセント安全だという科学技術はこの世に存在しない。
改めて強欲な原子力ムラの住人たちの存在を認識する一日となった。福一原発でこれほどの放射能漏れ事故を起こしていながら、今も原発再稼働を策すとはなんという執念だろうか。彼らの思考回路には『畏怖』という観念は微塵もないようだ。
川内市の街頭でインタビューする映像をテレビで流していたが、人それぞれの立場により賛否両論あるのは人の常だろう。原発に依存する経済圏内で暮らす人たちにとっては再稼働は願ってもないことだろうが、原発と直接的なかかわりなく暮らしている川内市民にとって再稼働は迷惑千万なことでしかない。
そして川内市民でない一般の日本国民である私たちはどのように考えるべきか。それにはまず、科学的な意味での『安全』は政治家が使う言葉の『安全』という概念と異なるということを忘れてはならない。科学者が使う『安全』という言葉は百パーセントの安全性を示しているのではない。
それは相対的に『安全』の比率が高い状況にある、という判断の一つに過ぎない。だから想定外の事態が起これば原子炉は破壊されるし放射能は原子炉から噴出することも十分にありうる、ということだ。
そうしたことを政府は地域住民に説明したのだろうか。一旦そうした事態に到れば放射能汚染された故郷を捨てて移住するしかないことは福一原発周辺の現状を見れば一目瞭然だ。
何よりも原発再稼働に反対する理由はまず第一に、福一原発は地震発生時に原子炉が異常事態に陥り、オペレーションルームから所員が先を争って職場放棄して逃げたということだ。その原因調査は全く行われず、津波により地下に設置していた非常電源のディーゼルエンジンが使用不可能になり艘電源停止による原子炉冷却停止によって核燃料が溶解したとする事故の筋書きで処理している危険性を指摘しなければならない。
いうまでもなく大きな釣鐘のような原子炉本体とその中を無数に走る熱交換の最先端の細管との地震振動周期が異なるのは改めて指摘するまでもないだろう。その振動周期の異なる部品が接合している部分が断裂する可能性があるのは誰も否定できないだろう。
第二に、全国の原子炉建屋内の使用済み燃料格納プールには使用済み燃料棒が満杯に格納されている、という事実だ。それは福一原発4号炉の爆発事故により露わになった。
日本国内には使用済み核燃料処理工場はない。いままではフランスに送って処理してもらっていたが、フランスでも処理中に出る放射性物質の廃棄処理場を巡って厳しい世論が起こり、日本からの使用済み核燃料の処理を受け入れるのが困難になっている。だから使用済み核燃料が全国の原発に満杯状態で溢れている。いわば原発は便所のない高級マンションだ、と比喩されてきたが、まさしくその通りの状態にあることを国民は理解すべきだ。
そして再稼働に反対する最後の理由はこれ以上負の遺産を未来の国民に負わせてはならないということだ。放射能種によっては半減期が1万年や中には10万年というものもあって、最終処分場が出来たとしてもどうやって1万年も最終処分場を維持・管理するのだろうか。
文化的に切れ目なく延々と続いている日本ですら、僅か千数百年前に書かれた古事記や万葉集を原文のまま読める人は古典学者を除いては皆無といって良いだろう。その10倍以上の歳月をどのようにして子々孫々に『放射能最終処分場』の維持・管理マニュアルを伝えるのだろうか。ヒエログリフの解読の世界の話と同様のことになりかねない。
断じて原発を稼働してはならない。単なる発電装置の一つに過ぎない原発に国家政府がなぜこれほど拘泥するのか理解できない。そもそも地域的にも歴史的にも広範な影響を与える放射能物質を発電装置に利用するのが間違っていたのだ。
それが『安全』にして『安価な電力供給』装置だから、という大嘘を平気で経産省や歴代政府が国民に説き、その宣伝に文化人や芸能人が幾許かのギャラに釣られて登場して国民を扇動した。国家として大嘘を国民に吐いていたことを恥じて、原発をすべて廃炉にする、と宣言する潔さは原子力ムラの札束に掻き消されてしまったのだろうか。なんともだらしなくも浅墓な官僚たちと政治家たちだ。