マスメディアによる世論誘導をいい加減にやめよ。

 しきりと自公協議がヤマのように報じている。言わずと知れた『集団的自衛権』のことだ。<安倍晋三首相は10日、自民党の高村正彦副総裁と首相官邸で会談し、武力で他国を守る集団的自衛権を使えるようにする閣議決定を22日までの今国会中に行うため、公明党との協議をまとめるよう正式に指示した。首相側は公明党に対し、13日に閣議決定案の協議に入る>(以上『』引用)
 しかし事は自公協議さえ形だけでも了承を取り付けて閣議決定を行いさえすれば、大多数を占めている衆・参国会はどうにでもなる、というものではない。彼らはこの国のあり方を決定的に変えようとしていることを認識していない。

 立憲主義を蔑ろにすることは一種のテロといえるだろう。合法的な法手続きを行わないで政権をほしいままにする、という意味では安倍政権がやろうとしていることはテロそのものだ。
 そういえば特定秘密保護法もテロに近いだろう。政権が特定秘密に指定すれば最長で60年間秘匿できる、というのでは参政権を得ている人たちの死後に情報を開示する、ということだ。つまり『今』を生きる国民を蚊帳の外に置いて事を行い、頬被りしたまま責任も取らずに済ますということだ。

 安倍政権はこの国を何処へ向かわせようとしているのか。残業ゼロ法案も所得宣言を1000万円以上にするから良いではないか、と政府は説明しているが、そのような制限はアッという間になし崩しになることは消費税を見れば明らかだ。
 消費税導入時に竹下登首相は「ほんの3%だけ買い物をする時に頂戴するだけです」などと説明していた。しかし時が過ぎればなし崩しに税率を引き上げるに違いない、と踏んでいたがまったくその通りだった。一度制度を作ってしまったらマスメディアを総動員して『社会保障の財源に広く薄く国民が負担する消費税が最適だ』などという大嘘を国民に刷り込む。社会保障が所得再配分と格差是正が本質であるなら、もっとも適切な財源は所得税だ。それも累進税率のある所得税だ。高額所得のある者が高額の社会保障費を負担するのが大原則だ、というのが社会保障の原則だ。それをマスメディアは財務官僚の説明をそのまま無批判に広報して国民を誤った方向へ誘導してしまった。

 集団的自衛権行為容認はいかように解釈しようと現憲法ではできない相談だ。戦争放棄を明記している憲法下で、最低限防衛としての軍事力保持は許されるだろう、として自衛隊を創設した。しかし今度は仲間が攻撃されていたら日本は黙って見過ごすことは出来ない、他国へでも出向いて戦うべきだ、というのでは憲法を無視しているといわざるを得ない。
 断っておくが、私は集団的自衛権に賛成だ。日本の国土から米軍には撤退していただいて、日本が攻撃力を含めた軍備を国民で行い、事と次第では軍事力行使を行うべきだ、と思う。軍事力行使の裏付けのない国際交渉など相手国からどのような譲歩が引き出せるというのだろうか。
 しかし、それでも解釈改憲はすべきでない。それをやれば国際社会で日本は無原則な国だと思われるだけだ。憲法改正を安倍政権は目指すべきだ。姑息な解釈改憲なぞという牽制の常道に反する行為を選択すべきではない。それをやれば日本の国家としての品位を著しく傷つけるだけでなく、数さえ獲れば何でも出来る、という民主主義の悪しきお手本を未来永劫に残すことになる。マスメディアも自公協議が焦点だ、と問題を矮小化してはならない。国民をさも自公協議さえ済めば問題ない、という世論へ誘導してはならない。言論界はもっと国家の原理原則に敏感であるべきだ。


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