読売新聞大見出しの「STAP論文不正確定」は不正確ではないか。

 昨日理研は小保方氏から提出されていた不服申し立てを退けて再調査しないことに決めたという。理研は一連の研究論文添付証拠写真に関して『切り貼り改竄』事件に関して、論文に改竄や捏造があったという認定を見直すべき事実はなかったとされた。
 これにより小保方氏の再調査要請は門前払いとされて、小保方氏の『STAP細胞論文』の根拠が崩れたことになり、当然のように理研は論文の取り下げを小保方氏に勧告し、理研の内規に従って小保方研究員を処分するという。

 しかし一旦は理研研究員の輝かしい研究成果として発表し、理研の副所長を勤める者まで共同研究者に名を連ねた論文がいとも簡単に撤回されるべきものだろうか。副所長はクダンの『研究証拠写真』の生データを確認したわけではないから小保方氏の『切り貼り改竄』に気付かなかったと釈明している。
 だが、研究者の態度としていかがなものだろうか。生データを調べもしないで共同研究者に名を連ねるとは余りに軽はずみではないだろうか。しかも、小保方氏は弱冠30歳の若い研究者だ。彼ら上席研究者が理研の名誉のためにも確認の上にも確認し、検証の上にも検証をして発表すべきではなかっただろうか。

 しかも小保方氏の『写真切り貼り改竄』調査委員長が小保方氏と同様の『写真切り貼り改竄』を過去の研究でしていたことから辞任する騒ぎを起こしている。小保方氏には理研が組織を上げて追放しようとしているが、上席研究者に対しては『謝罪』と『調査委員長辞任』だけで済むとはオカシな組織だ。
 実際に大事なのは生データの開示と、研究論文に基づく再現実験の開示だ。そうした手順を踏んだ上で理研は判断すべきを、一年にも満たない数ヶ月で小保方氏に『不正』のレッテルを張ってしまった。何とも乱暴な研究機関だというしかない。

 かつてガリレオは当時の常識だった天動説に対して地動説を唱えた。それはキリスト教の教義に悖ることから宗教裁判にかけられ、当然のことながら有罪判決を言い渡された。
 キリスト教の教義に反したか否かを判定する裁判所でキリスト教の教義を覆す理論を唱える科学者を裁くことに問題があるのは明白だ。果たしてガリレオは有罪判決を言い渡され『地動説を唱えない』と宣誓させられた。しかし裁判判決を受け容れた直後に「それでも地球は動く」と呟いたことは有名だ。

 小保方氏の『STAP細胞論文』全体の可否に関して理研の調査委員会は踏み込んで論破したわけではない。ただ生データの在り方に疑義を生じ、改竄と捏造があったと断定しただけだ。それでSTAP細胞の存在が否定されたわけではない。読売新聞の見出しがいかに非科学的かお分かりだろうか。
 先日の釈明記者会見で小保方氏が「STAP細胞はあります」と発言した姿がガリレオにダブって見えたのは私だけだろうか。

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