救命衣着用の基本原則。

 韓国の痛ましい旅客船沈没事故で、多くの高校生たちは救命衣を着用していた。しかし彼らは正しい着用の意味をまったく聞かされてなかったようだ。
 救命衣着用後は速やかに船室を出てオープンスペースへ移るべき、というのが大原則だ。なぜなら救命衣を着用して船内に留まると、浸水し体が浮いた段階で外へ脱出できなくなるからだ。脱出するためには出入り口を潜らなければならず、浸水していれば海水中を潜って脱出しなければならない。救命衣を着用していると潜水することは不可能だ。脱出できなくなり、沈没する船と運命を共にすることになる。

 韓国はそうした安全の基本をどのように教えていたのだろうか。船に乗って島へ行く旅行を学校が計画した段階で、なぜ救助の専門家を学校に呼んで随行する教師も徒とともに安全な救助を学ばなかったのだろうか。
 傾いた船の中で救命衣を着用して室内に留まることは考えられない。直ちにオープンスペースへ出ることが必須だ、というのは救助の基本だ。旅行に出る前に一時間でも学校が安全講習を実施していたなら、多くの高校生たちは死なないで済んだだろう。たとえ馬鹿な船長たちが「室内に留まれ」と艦内放送しても、安全講習通りに行動していれば彼らは助かったはずだ。

 海水温10度前後だったというから、すべてのコートなどを身に着けて厚着していれば、海に飛び込んでも数時間は生きられる。沿岸沿いの航路だったから救助されるに十分な時間があったはずだ。救命筏が船会社の怠慢により作動しなかったとしても、彼らの多くは命を失わずに済んだだろう。
 教育は大切だ。何事も学ばなければ解らない。学校とは知識教育の場であると同時に人間教育の場でもある。自動体外式除細動器(じどうたいがいしきじょさいどうき、Automated External Defibrillator, AED)の取り扱いについても、当然高校などで講習会を実施しておくぺきだ。簡単な消火器などの取り扱いも学校で教えておかなければならない。

 救命機器が身近にあっても使い方を知らなければ猫に小判だ。誤った使い方をすれば命を落としかねない。韓国の痛ましい海難事故の報道に接して、高校生たちの多くは救命衣を着用して船室に留まっていたという基本的な誤りを犯していることに愕然とした。
 彼らは学ぶべき時に何も教えてもらってなかったのだ。船舶移動する修学旅行に出掛ける前に、救命衣の着用を学ぶのは当たり前ではないだろうか。飛行機では搭乗すると必ず救命衣の着用についてレクチャーを受ける。学校当局もさることながら、修学旅行の予定報告を受けた当局は海難救命に関して専門家を派遣して一時間程度の講習会を実施すべきだ。


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