米国が目指すべきは民主的な運営を基礎とする国連改革だ。

 毎日新聞によると<オバマ米大統領は28日、米東部ニューヨーク州ウェストポイントにある陸軍士官学校の卒業式で、外交政策について演説した。
 大統領は「中国の経済的な台頭と軍事的な拡張が近隣諸国に懸念を与えている」と非難。南シナ海について、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)による紛争回避のための「行動規範」策定の取り組みを支援すると表明するとともに、国際法にのっとった解決を促し、中国をけん制した。
 大統領は昨年、シリアの化学兵器問題でアサド政権に対する限定的な軍事力行使をいったん決断しながらぎりぎりで見送った。大統領は「米国は世界の警察官ではない」と述べて国民に理解を求めたが、野党・共和党などからは米国の威信が揺らいだと非難を浴びた。
 また、こうした外交姿勢がロシアによるウクライナ・クリミア半島の編入を許すことにつながったとの批判も出ている。大統領の外交政策演説はこれらの批判に反論する形となった。
 大統領はシリアに軍事介入しなかった判断について「正しい判断だったと信じている」としたうえで、「独裁者に立ち向かうシリアの人々を助けないということではない」と強調し、反体制派への支援を強化する考えを示した。
 ウクライナについては「米国の指導力で世界がロシアの行動をただちに非難した」とし、米国がロシアを孤立化させる国際世論を形成したと主張した>(以上『毎日新聞』引用)

 毎日新聞の記事を読む限りでは米国内でオバマ大統領の不評が高まり、オバマ大統領もついに『親中』政策を反転せざるを得なくなったようだ。しかし、オバマ氏が中国政府に理解を示し中国政府の国際的な我侭な行動を容認していた時期に、中国政府は安心して『反日姿勢』に転じた。
 現代国際社会は未だに19世紀的侵略・帝国主義国家による覇権争いを続けているようだ。それも無理はない。なぜなら国連そのものが19世紀的侵略・帝国主義を代表する国家を中心として運営されているからだ。ただ中国だけが侵略・帝国主義諸国により支配され簒奪されていた国民だったということだけが異なる。他の常任理事四ヶ国は隣国諸国や世界を股にかけて侵略の限りを尽くしていた。

 そうした19世紀的侵略・帝国主義の欧米諸国をアジアから追い出そうとしたのが先の大戦の日本の行動原理だった。同時に19世紀的思考回路に囚われた指導者たちは日本の安全保障として朝鮮半島と満州を防衛緩衝地帯としてロシアに備えなければならなかったのも当事世界の常識に照らせば当然の行動だったといえる。
 中国は日本に恐怖している。中国が決して勝てなかった欧米諸国に対して、一時的とはいえインド周辺までも欧米軍を蹴散らして進軍した事実は中国民にとって畏怖するに値する仰天動地の出来事だったに違いない。

 何が日本をそこまで強くしたのか、というのが彼らの最大関心事になった。そして明治日本の『富国強兵策』がその原動力と知るや、まず経済力をつけるとともに軍事大国として世界支配をすべきとの国是を打ち立てたようだ。
 しかし、彼らは日本を詳しく知ろうとはしなかったようだ。限定的とはいえ、当時の日本には『普通選挙』が実施され、立憲君主国家として近代国家の体裁を整えていたことに無関心だった。中国政府は共産党独裁体制を期間限定として国民に民主主義を約束することをしなかった。共産党独裁政権をいつまでも続けて政府要人たちの子弟だけで国家利権を独占し続ける体制を捨てなかった。そこが明治日本と決定的に異なる点だ。

 そうした中国を恰も民主的な政権であるかのようにオバマ氏は処遇した。彼は根本的な過ちを犯した。中国は一人前として処遇してはならない国家なのだ。国民と一体化した国家とはいいがたい、集団指導体制による全体主義国家に過ぎない。国家利権に共同して喰らいつき、共同して私腹を肥やせる限り、中国政府当局は19世紀的侵略・帝国主義国家として振舞い続けるだろう。それはかつて欧米諸国が中国で行ってきた行動原理そのものだ。それを現代中国が近隣諸国や世界に対して行ったとして何処が悪いのか、欧米諸国もアフリカやアジアに対してそのように振舞い、一度として謝罪も賠償もしていないではないか、中国がその真似をして非難される謂れはない、というのが中国政府の腹の中だろう。

 しかしそれは過ちだ。21世紀の世界には21世紀の国家としての行動原理がなくてはならない。国連も20世紀侵略・帝国主義国家の残骸が常任理事国のうちの4ヶ国を占めているのは余りに偏重しすぎている。彼らは自ら現行の国連支配体制を民主化する年限を決めて、国連を世界諸国の民主的な運営に改革・開放すべきだ。
 米国がまずその先鞭を付けるべきではないか。国際社会に常任理事国が大きな顔をしてのさばっている時代ではないだろう。ドイツや日本を敵国条項で縛り付けておく時代でもさらさらないだろう。日本を貶めて自分たちが行った様々な蛮行を世界の人類から覆い隠そうとするのは止めて欲しい。まずは欧米諸国こそ19世紀・20世紀的侵略・帝国主義を真摯に反省して、いつまでも大きな顔をして常任理事国として居座っていた傲慢な態度を世界人類に向かって謝罪し、国連の民主化を期限を決めて実施すると宣言すべきだ。

 アジアやアフリカ諸国が1945年以後に陸続として独立したのも日本の悲惨な戦争があってこそだ。日本だけが欧米諸国の軍に敢然として立ち向かいアジアの地から蹴散らした。多勢に無勢でついには力尽きたが、白人たちの国家に有色人の国家が立ち向かい一時的とはいえ勝利したのはアフリカやアジアの植民地化された人たちに希望の明かりを灯した。そうした事実を日本国民は忘れてはならない。チマチマとした集団的自衛権の個別的なケースを挙げて与野党が国会で論戦をしているが、そうした微視的な観点でいては明治の先輩政治家たちに笑われるだろう。
 小手先ではなく、堂々と憲法改正議論をすべきだ。米国の桎梏を明確に意識して、米国が日本国民に張り巡らした牢獄の檻を突き破ろう。日本はもっと国際的な人類全体の利益のために活躍する国民のはずだ。なぜなら19世紀的侵略・帝国主義の欧米諸国を覚醒させた唯一の国家だからだ。
 日本はドイツではなく、日本だ。遅れて帝国主義クラブに参入したために今なお批判されているが、今になってもなお、侵略・帝国主義を国家方針に据えているロシアと中国はもっともっと国際社会から批判されるべきだ。しかし欧米諸国に批判する資格がないため萎縮しているが、国際社会ではもはや常任理事国による支配をいつまでも容認し続ける環境にない。一日も早く国連を民主化すべきだ。その責任は日本を負かした米国にある。


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