TPP参加に反対するが、幸いなことに農産五品目の関税を完全撤廃しない限り米国議会は『批准』決議をしないようだ。

 いずれにせよTPPは妥結しないようだ。慶賀の至りだ。貿易によるブロック経済は戦前には米国主導で日本を敵国として形成された。それにより経済封鎖という事態になり、石油や鉄鉱石が日本に輸入されないことになって、やむなく軍部は日米開戦に踏み切った。
 中国が勝手に『契約社会』を蔑ろにして商船三井から戦前の賠償金請求を認める判決を出し、船舶を差し押さえた。日中平和友好条約を踏み躙る蛮行により、中国は『契約』を守らない野蛮な国だという認識が世界を駆け巡ったことだろう。

 しかしTPP条約により中国を環太平洋諸国で囲い込むのは危険だ。それは戦前の日本に対するABCD包囲網を想起させる。中国は貿易にしろ投資にしろ日本が相手にすべき国ではないが、さりとて敵にすべき国でもない。最も良い対処法は『放置』だ。
 たとえバブル崩壊で中国内が混乱しようと、反政府運動の展開により中南海が中国民により包囲されようと、日本は完全無視で行くべきだ。正統に中国民による政府が樹立されるまで、日本は中国共産党の中国とは関わらないことだ。なぜなら関わって損をするのは常識のある日本であり、中国非常識な暴論で害毒を撒き散らすだけだからだ。

 たとえTPPが関税率の引き下げで妥結したとしても、米国議会では民主党は少数派で共和党は関税率完全撤廃でなければ『批准』を否決するだろう。そうすれば中途半端なTPP協議で纏めたオバマ政権は「死に体」政権がいよいよ二年の任期を残して頓死せざるを得ない。
 日本政府は甘利大臣をピエロに仕立てて協議を引っ張っているが、さすがに農産品五品目すべての関税を完全撤廃することを承諾するわけには行かない。それなら米国が早々と棚上げした自動車の関税存続はどう説明するのか。不平等条約をここに到って作るほど日本は米国の風下に座らされるわけにはいかない。

 安倍氏はオバマ氏と寿司を食って上機嫌のようだが、日米政治に関して言えばほとんど無意味だ。ワシントンではオバマ氏は任期の終わった大統領と看做されている。米国を訪問した安倍氏は碌に歓迎されなかったくせに、二倍返しもしないで愛想笑いをして謙るとは。安倍氏も終わった総理大臣ということだろうか。


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