この国の社会インフラは劣化していないか。

 八王子変電所の「開閉器」トラブルにより多摩地区30万世帯への電気が途切れた。時間としては午後8時過ぎから始まり午後11時過ぎまでの3時間ほどだった。
 現代生活は電気なしでは成り立たない。ありとあらゆる機器が電気供給を受けて稼動する仕掛けになっている。その電気が途切れては大変だっただろうと思われる。

 電気はいうまでもなく主要な社会インフラの一つだ。変電所の開閉器とは送電線で送られてきた高圧電流を変電所で減圧し市中へ配電する際に地域間の融通をしたりするスイッチの一つだ。
 開閉器はごく普通にどこの変電所にもある基本的な機器の一つだ。それが不調になったのは機器そのものが劣化していたのか、それとも人為的なミスで不調に陥ったのか、原因はこれから東電内で検証され発表されるだろう。しかし社会インフラの中の基本的な設備が突然不調に陥るとことは許されない。

 ときあたかも連休に突入したばかりで、新緑芽吹く全国各地に国民の多くが冬の間に縮こまっていた心身を癒そうとしている最中だった。社会インフラは当然安全に利用できるものだという前提で国民は生活し活動している。
 全国各地の道路や橋や道路地中の水道管や下水道管などもきちんと整備されているものと信頼している。信頼がなくなれば道路を自動車で駆けることは出来なくなる。それは鉄道でも同じだし、航空機でも同じだ。それぞれの持ち場でプロが完全な状態に維持・管理しているとの前提がなければ人は安心して利用できない。

 この国の社会インフラに携わる人たちの技術水準が少しずつ落ちているのではないか、あるいは仕事に対するプロ意識が少し低下しているのではないかと思われる事故がぽつぽつと報じられるようになっている。
 実際の事故の陰には数え切れない「不調」が隠れているものだ。現場を預かる人たちは「不調」の存在に気付いているはずだ。それを直ちに改善しないのは企業や組織全体の問題だ。言い方を変えればこの国の仕組みが少しずつ劣化しているのではないかという懸念がある。国土強靭化を唱えて消化しきれないほどの公共事業大盤振る舞いをしている陰で、国土劣化が進んでいるのではないかと懸念しているのは私だけだろうか。


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