潔くない日本男児。

 小保方春子氏のSTAP細胞に関する一連の報道でキーマンたる理化学研究所副所長の笹井某の会見をテレビで視聴した。その第一印象は「潔くない日本男児」だということだ。
 なぜ「潔くない」のか。彼は小保方氏の研究発表に名を連ねたにも拘らず、原始データたる研究資料に目を通していなかったと発言した。研究者なら何であれ名を連ねる限りは原始データを実際に検証し、納得した上で行うべきだ、というのは研究者として常識だ。

 笹井某が真に優秀な研究者なら、たとえ原始データに目を通していなくても、自身の研究者としての名を惜しむなら「私は全体を検証した上で発表に名を連ねた」と言うべきだった。それが研究者としての、ましてや研究所の上司としての責任の取り方であるはずだ。
 部下が何らかの重要な研究をしていて、碌でもない研究ノートの取り方をしていれば、最初に注意すべきはその直属の上司であるはずだ。小保方氏が研究ノートを「二冊」しか取っていないと批判された折に、彼は上司として「私の部下がそんな杜撰な研究をしていない」と直ちに言うべきだった。

 しかも笹井某は「STAP細胞は仮説として存在する」と記者会見で発表した上で「STAP細胞論文を取り下げるべきだ」と結論付けた。これも不可解極まりない。
 「STAP細胞が存在しなければ仮説が成り立たない」というのならガリレオガリレイさながらに、「それでも地球は動く」と言うべきだった。彼は全存在を賭けて小保方氏を庇い、産声を上げたばかりのSTAP細胞の存在を宣言すべきだった。そうすれば彼は後に現代のガリレオになれたかもしれない。しかし今日の記者会見を見る限りでは「潔くない日本男児」として研究機関に名を連ねるべき人物ではないというしかない。

 現代ではガリレオの唱えた地動説が常識となっているが、それですら宇宙に飛び出て太陽の周りを惑星が周回している有様を実際に見た人はいない。ただ科学的な計算式が地球が太陽の周りを公転しているとした方が合理的に説明できるから「そうだ」としているに過ぎない。
 科学とはそういうものだ。だからこそ原始データと仮説の論理構成と実験の再現性が何よりも重大事項とされている。その一つたる原始データを笹井某は自ら検証していなかったと言う。それでも科学者なのか、と批判せざるを得ないし、STAP細胞の存在が゛有望な仮説」だと言うのなら、彼はその存在にすべてを賭けるべきだった。既に降りられない「STAP細胞研究という列車」に一員として乗車していることが解っていないようだ。


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