STAP細胞の大見出しは<不適切、根幹に疑義、極めて杜撰>だが、アベノミクスを持ち上げるマスメディアはどうなのか。

 朝刊各紙の一面に並んだSTAP細胞の大見出しは<不適切、根幹に疑義、極めて杜撰>だが、アベノミクスを持ち上げるマスメディアはどうなのか。各マスメディアともペア回答日には欣喜雀躍状態でいかにも景気回復本格化かと国民に思わせるのに腐心していた。
 だが、マスメディア各社ともアベノミクスが<不適切、根幹に疑義、極めて杜撰>との思いは脳裏に過りもしなかったのだろうか。第一ベアもマスメディアが足の踏み場もないほど持ち上げたが、%に直せば1%にも満たない額でしかない。それでは消費増税だけでも生活必需品などの値上がり3%の補いもつかないのは明らかだ。

 さらに輸入品の値上がりが目白押しなのと併せれば、四月以降の物価上昇は5%前後になると予想される。それが国民生活を直撃するのは火を見るよりも明らかだ。
 マスメディアの従事者たちはテレビ局の正社員をはじめ高給取りだから、自分たちの立場を守るために政府におべっかを使いたい心情も分からないでもないが、それならジャーナリストとは云わない。政府広報紙と何ら変わらないではないか。

 アベノミクスは完全な失敗に終わった。アベノミクスにより国民生活に潤沢な富が行き渡るのに、安倍氏に残された時間は四月までの半月足らずだ。彼はアベノミクスにより景気が上向き、消費増税による景気下げも一時的なものになると豪語してきた。
 しかしアベノミクスは未だに「異次元金融緩和」の日銀による金融政策のみだ。最終的な法人減税と特区構想に基づく投資減税は安倍氏の言葉の上にしか存在していない。実態は未だに「議論を始める」段階だ。それでは画塀どころではなく、そもそも絵すら見せてもらっていないのだ。

 そうした中、ロシアがウクライナで暴走してクリミア半島を併合するために欧州諸国に送っている天然ガスを止めると脅している。欧州が消費するエネルギーの割を占めるに到っている天然ガスのパイプラインを閉じられてはたちまち欧州諸国はエネルギー不足に陥る。割高なスポット買いをしてでも天然ガスに見合う原油を手当てしなければならないだろう。ロシアとマトモな商売が出来ると思ったら大間違いで、欧州諸国がロシアの「天然ガスを止めても良いのか」と脅されるのは二度目だ。日本がロシアから天然ガスを買い付ければ、やがては外交カードに使われることを覚悟しなければならない。

 だから欧州はウクライナ情勢に関連して景気が後退すると思われるし、中国は既に全人代で首相が言及するほどシャドーバンクがデフォルトを始めて深刻な事態に陥っている。日本経済を取り巻く外的要因は景気後退要素ばかりで、景気にプラスをもたらす要素は皆無だ。
 そこに国内的にもマイナス要素だけでしかない消費増税が重なってくる。金融緩和で円安を誘導し輸出産業が活況を呈して日本経済が上向くとの絵を描いたのがアベノミクスだったが、輸出産業の多くが海外移転していて国内が空洞化していたのに、安倍氏はまず手を打つべきだった。

 そのことからこのブログでは安倍政権成立前からUターン投資減税をすべきと主張していたのだ。国内に製造業が回帰しないで何が景気回復だ。国際分業などは軍事力を背景にした超大国の話だ。国際社会で主導力を持たない日本は手にスペードのエースといった強力なカードを持たないその他大勢の一人でしかない。
 さらにTPPなどに踏み込めば超大国の「唯我独尊」的な外交に蹂躙されるのがオチだ。誰が米国と堂々と伍して外交を行えるというのだろうか。安倍氏はすっかり毒を抜かれて「河野談話」ですら「見直さない」と発言する始末ではないか。そんな恫喝されればおとなしくなる子供のような安倍政権に何を望めるというのだろうか。

 さて、米国は金融縮小の出口戦略に動き始めた。国際基軸通貨でない日本の円は深刻な事態に到る前に出口戦略を取らなければ円の暴落に見舞われかねない。安倍氏はアベノミクスの終息をどのように始末つけようと描いているのだろうか。マスメディアはそのことを記者会見で聞くべきだが、いつまでアベノミクスを持ち上げれば気が済むのだろうか。この国のマスメディアの腐りきった体質には辟易だが、辟易だけしていても国民生活は良くならない。政府広報機関に堕したマスメディア批判を更に強めるしかないだろう。


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