国益を棄損し民主主義を蹴散らすこの国の官僚たち。

 小松一郎・内閣法制局長官の常軌を逸して場内外乱闘には呆れてモノも云えない。これが憲政の番人たる所管事務を司る立場の官僚なのかと疑わざるを得ない。
 共産党国会議員から「法の番人ではなく、首相の番犬」と謗られたことに端を発した暴言の数々だが、小松一郎・内閣法制局長官に自分の立場を理解する能力がないというしかない。早々に自ら身を退くか、更迭するしかないだろう。

 騒動の原因は集団的自衛権に関して歴代内閣法制局長官は「憲法に反する」という立場をとって来た。いかに解釈憲法による運用といえども、行政の長たる首相が「私が最高責任者だ」と公言するのは司法権の「最高責任者」まで兼任しているという勘違いだ。三権分立とは中学生でも諳んじるほどの、我が国の常識中の常識だ。民主主義が機能するには三権分立が働くのが前提条件だと、官僚たちがまさか知らないことはないだろう。
 むしろ内閣法制局長官は「憲法規定に照らすまでもなく、あなたは行政権の長であって、立法権の長でもなければ司法権の長でもないことは御理解して頂いていますね」と諌める立場のはずだ。それを「私は首相の立場に立って進める」と発言するに到っては常軌を逸しているというしかない。

 常軌を逸しているといえば安倍政権のTPP交渉も常軌を逸している。先の二度にわたる衆・参国政選挙当時には「TPP交渉に当たっては一ミリたりとも聖域を揺るがさない」としていたはずが、米国との交渉が暗礁に乗り上げるや妥協を重ねている。
 それでも苦難の交渉を続けている演出なのか未だに妥結に至っていないとマスメディアに広報させている。そして四月のオバマ大統領訪日までに妥結させる、として今月末にも最終交渉を行うという。まるでシナリオ通りの交渉劇ではないか。

 関税自主権は明治政府の悲願だった。江戸幕府が無知のなせる技で関税自主権の放棄と「治外法権」などの不平等条約などのテンコ盛りの日米修好通商条約を締結したことから相次いで欧州諸国と同様の条約を締結してしまった。それを改定させて世界の諸国と対等な立場に立つのに明治政府は艱難辛苦の道を歩んだ。
 そうした歴史を忘れて、米国の意のままに譲歩することは現在と未来の国益を大きく毀損する。あたかも江戸幕府も米国にしてやられたように、日本国政府もまた米国にしてやられようとしている。安倍氏は日本史で何を学んだのだろうか。

 官僚たちは首相以下大臣の顔触れが変わろうと、変わってはいけない部分があることを承知しているはずだ。それは憲法規定に則って仕事をしているという自覚だ。だからこそ憲法に記してある通り、首相や大臣への奉仕者である以前に国民への奉仕者であるべきだ。
 しかし現実の官僚たちは官僚たちの奉仕者であり、小松一郎・内閣法制局長官に到っては自らへの奉仕者になり下がっている。保育所は予算さえ確保すれば簡単に造れるが、保育士が集まらないという現実がある。なぜなのか、それは保育士の報酬が余りに低いからだ。

 官僚たちは自分たちの報酬は高止まりのまま勤労者平均年収が逓減していようと素知らぬ顔を決め込んでいるが、制度事業で行う各種事業従事者への報酬は低額のまま放置している。なぜ自分たちの基準で制度事業で働く人たちの報酬を定めないのだろうか。
 保育士だけではない、介護士や国の定める各種制度事業の従事者に支払う報酬の公務員との格差は一体何だろうか。そして公務員給与に切り込まない政治家たちは官僚の掌で踊る口先人間でしかない。自分のポケットから出すカネでないから公共事業に存在する○公単価を存続させて疑問を呈さない。すべては他人事なのだろう。国民はそろそろ本気で怒った方が良い。


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