安倍首相はプーチンにオモネているが、北方四島「返還」の判断はプーチン一人ではできない。

 米国のオバマ大統領をはじめ西側諸国の主だった国の大統領や首相たちが冬季ソチ五輪開会式を欠席したが、安倍首相は果敢にも強行日程をついてプーチンの招きに応じた。その眼目は中東依存に偏重している原油や天然ガスをロシア・シベリヤへ軸足を移すためと、北方四島返還交渉のためだという。
 しかし中東依存偏重を解消するために日本がロシアと交渉を持ち掛けるまでもなく、ロシア側が日本へ原油や天然ガスを売り込みたがっている。なぜなら、かつて欧州へパイプラインで天然ガスを輸出していたが、欧州諸国がロシア・天然ガスにエネルギー源を依存するとロシアは欧州を政治的に支配する切り札として天然ガス輸出を使い始めた。それに嫌気を差して欧州諸国がロシアからの輸入を削減してしまったためロシアは他に売り込み先を求めざるを得ない環境にある、という経緯がある。

 放置していても日本へ売り込む天然ガスを「売って欲しい」と頼み込めば値が上がるのは自明の理だ。なぜそんなバカなことを安倍氏はやるのか、常識を疑う。しかもロシアは北方四島を戦争で日本から正当に奪った戦利品だと国民に教育している。だからロシア国民に日本の北方四島返還要求は不当なものだという認識が強い。プーチン一人が「返還するよ」と発言して片付く問題ではない。むしろ、そんなことを言えばプーチンが国民から大顰蹙され、抗議の嵐を浴びて大統領の地位を追われるだろう。
 北方四島交渉で必要なのは国際世論に訴えることだ。北方四島は戦闘行為でロシアが占領したのではなく、終戦後に旧ソ連軍が勝手に上陸してそこで暮らしていた1万5千人もの日本国民を本土へ追放したに過ぎない。1858年に締結された日魯通商条約で定められた国境線に復することが最も合理的だ。

 そうした長年に亘る日本とロシアとの国交の歴史を国際社会に報せ、現在の北方四島の不法占拠を国際社会に訴えることが何よりも必要だ。ロシア国民はなぜ日本国民が北方四島の返還に拘っているのか、その根拠すら知らされていないはずだ。そうした状況でいかなる親善関係を築いた所で、すべてはマヤカシに過ぎない。
 安倍首相がチェチェン人の艱難辛苦を踏み躙りプーチンにオモネて良いことは何もない。それは安倍氏個人の問題ではなく、日本国民が「民族自決」を否定する人たちとの誤解を世界に与えかねない重大な行為だ。天然ガスはロシアに売ってくれ、と申し込むまでもなくロシアは「買ってくれ」と、日本に懇願したかったのだ。安倍氏はバカなことをしたものだ。


このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。