玉石混交の世の中で真贋を見極める目を養おう。

 オレオレ詐欺が一時鳴りを潜めていたが、今年は最高額を記録しそうな勢いだという。それも「劇場型」というのか芝居仕立てで老人を騙して直に自宅へカネを受け取りに行くというのだ。
 同じように「聴覚障害者だが、絶対音感で作曲した」という詐欺師にNHKをはじめとして、多くの人が騙されていたという詐欺事件が発覚した。件の詐欺師は黒ハットを被って表情に陰影をつけ、髭面にサングラスと詐欺師然とした井出達だ。

 少年の頃にはピアノの天才と謳われたと自称していたが、彼の作曲ゴーストライター氏によるとピアノの初歩すら弾けないという。しかも音楽評論家によれば聴覚を失った現代のベートーベン氏の手になる交響曲は名だたるクラッシックのパクリが随所に見受けられるという。
 それほどのお粗末な次第の交響曲だが、聴覚を失った作曲家という触れ込みが成功したのかクラッシックとしては異常なほどのCD売り上げだったという。そうするとクラッシック・ファンの耳も大したことのないレベルというしかないだろう。

 この世は玉石混交だ。偽物が体裁だけ本物らしく振舞って拍手喝さいを浴び、その反面「玉」として光るべき人物が石くれほども値打ちのない雑魚の手垢にまみれて光を浴びないことが多々ある。死して後に名のあがる人物はそれでも救われるが、死して後も誰も語らない歴史に埋もれた天才だってゴマントいたはずだ。
 真贋を見極めるのは難しいが、頼りにすべきは個々人の心眼だけだ。見極め方は事実と噂を峻別して、事実のみを検証すればかなり真理に近づけるはずだ。たとえば「お母さん、風邪をひいたから変な声だけど、取引で失態を仕出かして困っている」という電話が掛ってくれば「お前は心配するな、お母さんが会社の社長に電話してやる」と返答して直ちに電話を切れば良い。仮想空間から脱出して、現実世界にコンタクトを取れば嘘は直ちに氷解する。

 かつて耳が聞こえていた頃ピアノの天才だったと言っていたのなら、なぜその作曲家にトルコ行進曲なりを弾いて欲しいと所望しなかったのだろうか。簡単な話だし、自らが天才だったというのなら非礼にも当たらないはずだ。
 そうした口先の戯言と、現実世界の技量とを突き合わせれば、詐欺師か否かは簡単に見分けられる。この世には○○シンクタンクの研究員と称する評論家が「少子社会の問題点」などという公演目を引っ提げて地方巡業して歩いている。それを地方の公的役職にある「講演予算を消化しなければならない」必然性に迫られて簡単に中央の怪しげなエージェンシーに丸投げすると、肩書きだけ大層な髭面の男がやって来る、という寸法なのは地方に暮らせば見飽きるほどだ盛り沢山だ。先生面すべき知性も先見性も何もない口先男が数十万円の講演料を掻っ攫って東京の人の海に紛れて行く。

 地方に暮らせばウンザリすることばかりだ。玉石混交の見極め方も知らない地方の公務員がいっぱしの有識者面をする。OBになれば各種団体の嘱託や顧問に就任して、彼らの後輩の怪しげな連中を講師として招いて公金による講演会を消化する。
 山口県では歴代官僚上がりの知事が誕生してきた。今度も自公公認候補は総務省の官僚だった人物だ。官僚は政治家の差配に従って忠実に行政組織を督励すべき存在でしかないはずだが、この国ではいつの間にか主客転倒して官僚が政治家を顎で使っている。山口県は今回もそうした主客転倒から抜け出せそうにないようだ。なにしろ東京生まれ東京育ちの安倍氏を「郷土の政治家」として弟までにも衆議院議席を与えているような後進県だから、仕方ないのだろう。


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