アベノミクス終焉の始まり。

 日経平均が1万4千円を割った。世界的な株式市場の下落に日本も例外ではなかったようだ。今回の世界的株式市場の下落は米国FRBが米国金融を暫時縮小することにしたことと、世界経済を牽引してきた後進国の成長率が鈍化したことにより金融市場全体が活力を失ったことによる。
 アベノミクスは日銀の異次元金融緩和による円の下落と相対的な日本企業株の上昇による現象に過ぎないものだった。端的にいえば紙幣の増刷による「円」価格の下落がもたらす金融的な現象だ。何も安倍首相が大見栄を切って「政治は結果だ」と自らの手腕を誇るものなど何もないのだ。実際に安倍氏が実施した経済政策は非常識な公共事業の拡大策と官僚たちに水膨れした予算を投げ与えただけだでしかない。

 経済政策として公共事業が殆ど効果がないのは長い自民党政権下で実証済みだ。それを今更忘れた歌を思い出したかのように大盤振る舞いしたところで資材価格高騰と労務者不足から海外労働者を入れようかというバカな議論になっている。
 アベノミクスが経済成長策なき大幅な金融緩和策だけだというのが判明し、つまりは円の下落だけだということがやって経済評論家たちにも解って来たようだが、今年の年頭に当たって「年末には株価が2万円を超えるだろう」と予測したシンクタンクが幾つもあったのは、彼らの頭脳がいかにお粗末かを物語っているだろう。いやそうではなく、安倍政権にゴマを擦っただけだというのならシンクタンクという看板を下ろしてゴマスリ・タンクに架け替えるが良いだろう。

 安倍政権は嘘のオンパレードだ。まずは政権獲得直前の総選挙で高らかに謳った「税と社会保障の一体改革」は飛んでもない大嘘で、消費増税だけを食って終わりのようだ。次に「選挙制度改革」は区割り改革案や比例定数削減案すら国会審議の俎上にあがっていない。
 消費増税は財政再建のため、というのも大嘘で、増税部分は景気対策と称する大盤振る舞いで終わりのようだ。そこには一度本予算で削減した4000億円にのぼる予算を補正で看板だけ掛け替えて復活させるなどの誤魔化しが罷り通っている。果たして来年度予算も史上最大の一般会計となるようで、対前年増という拡大予算を継続している。

 自公の官僚主導による官僚制内閣では碌なことにならないのは既に数十年もの間に国民は骨身に沁みて解っているはずだ。それでも安倍政権の支持率が高いというマスメディア世論調査には驚くばかりだ。この国の国民は学習能力ゼロの国民性なのかと心配になる。
 しかし、いかに学習能力がゼロにせよ、この四月から景気が悪化すれば消費増税との因果関係を否定することは困難だろう。橋本政権下で3%から5%へ2%消費増税していかにものの見事に景気が腰折れしたか、今年の四月になれば国民は思い返すだろう。チマチマとした小手先上手な官僚が小売業者に消費税を外税表示しろと指導しているようだが、枝葉末節に拘る特性が良く表れていて物悲しい。国民は外税であろうとなかろうと生きていくために増税額以上に価格上昇した食料品などの生活必需品を日々買わなければならないのだ。

 「春は名のみぞ懐の寒さよ」となるのだろうか、今年の春は。そういえば昨日の立春は寒の戻りで列島が震え上がった。春の名のみぞというが、国民の生活が一番の政治課題になるのはいつのことだろうか。本当にお寒い限りだ。


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