人格を賭した覚悟もなく代理人になってはならないし、中途半端に代理人を止めてもならない。

 ゴーストライターに作曲してもらっていた人物の代理人が止めたという。彼らは最初の取材で「その人は全聾だと思う、なぜなら2級の障害者手帳を持っていたから」と発言していた。
 なぜ彼らが全聾と称する人物と会った経験から「全聾は間違いない」と確信したと発言しなかったのだろうか。2級の障害者手帳を持っていたから、彼は全聾なのだろうと思うとは、彼ら自身の耳と経験と叡智は全く彼らの判断と関係ないことになっている。それが代理人たる者が取るべき態度だろうか。

 テレビでNHK新会長の「政府が右ということに右ではないと云えないだろう」と発言したことを問題にして、彼らが田中角栄元首相のロッキード裁判を引き合いに出していた。
 どんな関連性を実証するのかと興味を持って視聴したが、彼らは「元総理大臣の犯罪を暴いたマスメディアは立派だった」と元上げた上で、現NHK新会長の発言を批判した。
 だが、待ってもらいたい。田中角栄氏は裁判で有罪判決を確定されているのだろうか。そもそも唯一の物証たるコーチャン氏の「嘱託尋問調書」は司法取引という日本の法にない状況で、しかも日本の法の及ばない米国議会での証言を「証拠採用」するという前代未聞の愚挙により公判維持を図った田中角栄氏を葬る田舎芝居だったことが明らかになっている。

 しかし当時の田中角栄氏の裁判を報道したバカなジャーナリストたちがまだ存命のため、日本りマスメディアは根本的な「米国による田中角栄氏に対する冤罪」という真実を正面から取り上げられないでいる。
 まったく同じ構図がつい数年前この国で展開された検察とマスメディアによる明白な冤罪事件「律山会事件」を梃子にした小沢一郎氏の人格破壊報道が三年有余に亘って延々と毎日のように「政治とカネ」というプロパガンダ・フレーズをすべてのマスメディア報道番組MCと女性アナウンサーとバカ面を並べたコメンテータたちが異口同音に繰り返したことを国民はリアルタイムで視聴したはずだ。それで何となく「小沢一郎氏はクロだ」と明白な根拠もなく刷り込まれた事実を忘れてはいないだろうか。

 真実は陽炎のように脆い。マスメディアの執拗なキャンペーンの嵐が吹けば一溜まりもなく吹き飛ばされてしまう。愚かな連中が鳩山元首相を「愚かな首相」という米国記者の記事を鵜呑みにして「最低でも県外」と普天間基地移設先を主張したことを批判したが、冷静に考えれば日本国の首相が米軍基地の移設先一つ満足に決められない国とは一体何だろうかという疑念を抱くのが正常な考え方だと解るはずだ。
 鳩山氏は官僚たちと民主党の防衛・外務閣僚たちの裏切りにあって「最低でも県外」発言を撤回したが、彼には蛮勇をふるって沖縄県と日本のために「最低でも県外」と主張し続けていて欲しかった。

 真実とは陽炎のように脆いものだが、決して消え去るものではない。いつかは真実が姿を現して糊塗された嘘の仮面を剥ぎ取る。
 ゴーストライター氏の作曲した作品を自分のものとして発表した人物の嘘が見抜けなかった人物にいかなる代理人が務まるはずはない。全聾とはいかなるものか、その代理人は代理人を引き受けるにあたって聾唖学校を訪れて正しい知識を得ていなかったとすれば、いかにも程度の低いヤッツケ仕事を旨とする代理人だと思われても仕方ないだろう。

 テレビを見ていてNHK新会長は政権とは距離を置き得ないようだが、自分たちは真っ当なマスメディアとして活動している、というコレミヨガシ顔が見えて腹が立った。彼らも田中角栄氏の冤罪を見抜けなかったし、小沢一郎氏の冤罪と検察が何を企んでいるかを見抜けずに彼らが提供する「情報」を無批判に垂れ流した総括や反省すらしていない報道姿勢に脳血管がブチ切れそうになった。
 一体なにをほざいているのか。この国のマスメディアは腐り切っている。真に独立すら果たしていない現実に考えが及ばないで、一人前の顔をしてテレビに語りかけている高慢チキな面には反吐が出る。彼らはソソクサと下りた全聾を語った似非作曲家の代理人と何ら変わらないという認識すらもないのだろう。


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