自然再生エネルギーの活用推進を。

 厳しい寒さが到来して日本列島が震えているが、早朝に出掛けると各家庭の室外機が静かに呻りを上げているのに驚かされる。もちろん雪国では暖を取る主力は石油ストーブだろうが、そうでない地方はいつの間にかエアコンが主流になっているようだ。
 その陰には灯油の相次ぐ値上げで、一缶(18ℓ)当たり2000円近い価格になっているため、おいそれとファンヒーターを焚けない状態になっているようだ。それに老人世帯が増えて火事の危険性もあって灯油ストーブをやめてエアコンに切り替えているようだ。

 そうすると冬場の電力需要が高まることになる。かつては瞬間最高電力消費は夏場の甲子園中継のある昼過ぎと相場が決まっていた。しかし今では冬場へとシフトしつつあるようだ。
 そうすると更に電力供給量の確保が必要となる。そのためにといって「脱原発」の旗印を降ろすわけにはいかない。脱原発は日本国民の運命だ。電力各社が独占してきた発電事業による弊害が原発事業に集約されたといっても過言ではない。

 第一、インチキそのものの「原発発電は安い」というマヤカシだ。総括原価方式という企業会計原則を無視した電気事業関係者の間だけ通用する「発電期間の費用だけをカウント」して原価とするという方式は原発にとって極めて有利な原価方式だ。
 それでは原価に発電に到るまでの原子炉建設などの準備段階の莫大な費用も、発電停止した後の天文学的な数字に達すると予測される40年もかかる廃炉完了までの経費や放射性廃棄物の処分と最長の半減期10万年に到る最終処分場の維持・管理費用などはすべて原価に反映されていない。それらを排除した上での「原発は廉価な発電装置だ」という説明を電力各社と官僚たちは繰り返し、それをこの国のマスメディアはオウム返しのように繰り返して国民に誤った常識を刷り込んだ。

 議論する土俵を取り換えて国民を騙すやり方は官僚の常套手段だ。食糧自給率をカロリーベースで計算して40%を切ったと国民を恫喝して農水省予算を水膨れさせるのは農水官僚が使い続けていた国民を騙すカラクリだった。それを世界基準の消費金額ベースで計算し直すと日本の食糧自給率は67%程度となり、英国を抜いて先進国の中でも上位になる。
 日本国民が主たるカロリー源の穀物をのうちパンや麺類の原料となる小麦を百%近く輸入している限り、カロリーベースでは自給率は決して50%を超えることはない。なぜなら日本国民がコメを主食として食する割合が50%を切っているからだ。つまりカロリーベースで計算している限り日本の食料自給率が決して50%を超えないと知っている上で、農水省は食糧自給率を上げるために予算措置が必要だ、と予算獲得の材料にしているだけだ。農水省が作った食糧危機に便乗して似非・評論家たちが暗躍して国民の不安に付け込んで誤った脳性を続けてきた現状が今日の日本の農業のありさまだ。

 原発行政もまさしく農政と酷似している。総括原価主義という誤魔化しの原価算定方式を用いている限り原発に対してマトモな行政は出来ない。電力会社や官僚たちは原発の発電コストを企業会計原則に基づいて算定し直し、誤魔化しを止めて真実の数字を国民の前に提示しよう。そうすれば「脱原発」と声を上げるまでもなく、天文学的な発電原価に国民はびっくり仰天するだろう。
 この国の官僚たちは大真面目な顔をして国民を騙している。マスメディアも官僚たちの誤魔化しを知ってか知らずでか、官僚たちの発表をそのままおうむ返しに国民に報道している。いや報道ではないだろう、官僚の広報機関として広報しているだけなのだろう。この国のマスメディアは腐り切っている。

 テレビ局は官僚を批判すれば現在の旨味のある電波行政を電波入札制度に転換されてはかなわないし、先進諸国では新聞社がテレビ局を所有するのを「情報の独占と操作を恐れて」禁じている国が多い中で、日本は依然としてクロスオーナーシップを維持しているが、それを禁止されてはかなわないからなのだろうか、マスメディア各社は政治家は批判しても決して官僚を批判しない。
 この国の民主主義を守るためにもマスメディアを国民の側に立つマスメディアにしなければならない。全国各地で自然再生エネルギーによる発電が活発に模索されているが、その様がなかなかテレビ番組に取り上げられない。小水力発電も再び脚光を浴びているし、スターリング・エンジンによる発電も試みられるようになっている。そうした芽をネット市民は温かく見守り全国から発信しよう。

 

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