米国は靖国問題で日本に何を「自制」せよというのか。

 米国のdisappointが問題視されているようだが、米国は日本に靖国で隣国と緊張を高めないように「自制」を求めたという。しかし米国は日本に靖国問題の何を「自制」せよと言いたかったのだろうか。
 米国による日本支配の仕組みが壊れるのを、もしくは米国による戦勝国史観の集団催眠から日本国民が覚醒するのを「自制」させようとしたのだろうか。そうだとしても米国の意図する「自制」とは具体的にどのようなことなのだろうか。詳細な説明を米国政府に求めたいし、事と次第では米国による日本支配の根本構造が日本国民の前に露呈する事態になりかねないことを米国当局は認識しているのだろうか。

 日本国内にも「反日評論家」はいる。テレビに登場するコメンテータの多くがそうだが、マスメディアが日本国民の多数を代表しているわけではない。テレビに登場するコメンテータが「日本もアジア諸国に迷惑を掛けたのだから反省の上に立って、明治以降の軍国日本と深く結びついた靖国神社とは別の国立慰霊施設を設けるべきだ」という主旨のバカげた発言を繰り返している。
 血塗られた歴史を持たない国は世界にないといっても過言ではない。どんな国も建国の過程や発展の途上で他国と利害を巡って何度か戦争を経験している。国際連合の常任理事国として大きな顔をしている国々ですら、国内・国外を問わず戦争相手として国内外の多くの人々の血によって購われた過去を持つではないか。

 ことさら日本の過去を論って日本悪人説を日本国民に吹き込むのは戦勝国のおぞましい歴史を日本の過去の中に封じ込めようとする策謀に過ぎない。中国も1948年の建国直前から今日までの短い歴史の中ですら、中国内や隣接する人たちの1億人を超える人たちの血によって中共政府が成り立っている。戦争大好きな米国はいうまでもなくここ一世紀だけでどれほど血塗られた歴史を持つというのだろうか。そもそも建国からして600万人もの原住民大虐殺により国家が成り立った歴史を米国民にしっかりと教えているのだろうか。
 他の安保理常任理事国も五十歩百歩だ。他国を侵略し血塗られた歴史のオンパレードではないか。日本は欧米諸国に対して明治維新以降に有色人種として最初の軍事大国化したため、欧米諸国からことさら冷たい視線で見られてきた。そうした中にあって毅然として独立国家を維持し、欧米と伍してきた日本は欧米諸国にとって人種差別に基づく憎悪の対象であった。

 現代国際社会ですら白人たちは有色人種を見下している。世界の支配構造を見れば歴然としている。平和の祭典とされるオリンピックですら理事たちの構成を見れば世界各国に平等ではない。明らかに一分既得権益者たちのイベント利権のとして存在しているに過ぎない。それに「平和の祭典だ」と歓喜の声を上げている人たちもオリンピックイベントで飯を食っている人たちにより踊らされていることを知るべきだ。
 もっと生臭い商売の世界ではもっとあからさまな白人支配の世界だ。石油がそうだし穀物がそうだしウランがそうだし、例を挙げればきりがない。そうした世界秩序の守護神に米国が君臨し、他社の追従を許さない軍事態勢が現代国際社会だ。だから大きな顔をして「靖国を自制せよ」と日本に言えるのだ。

 こうした国際社会の構造が永遠に続くわけがない。日本は米国に隷属していれば良い、という戦後に米国により日本国民に刷り込まれた「米国による史観」を日本の歴史として受け容れ続けるのはいかがであろうか。そろそろ「王様の耳はロバの耳」と米国に対してモノ言う時ではないだろうか。そのためには米国の核の傘の下に身を小さくしていては何も出来ない。日本は日本として国際社会に存在を示すべきだ。
 しかし、戦後の政治家でこれまでそうした発言をしてきた政治家がいなかったわけではない。最初の一人が田中角栄氏で、次に小沢一郎氏が米国支配から脱却し、日本の独立自尊の道を模索した政治家たちだ。そして田中角栄氏は米国議会で問題化したロッキード事件という証拠なき事件で失脚を余儀なくされた。小沢一郎氏に関しては記憶に新しい所だろう。

 実は上記で紹介した政治家の二人には中国と親密な関係を築こうとした共通点がある。しかし、それは米国の国益に反する。米国にとって日本はいつまでも中・韓やロシアと反目している方が都合が良い。そうすれば攻撃力を持たない日本は軍事的に米国を頼るしかないからだ。
 そろそろ、こうしたバカげた戦後秩序から日本は脱却しようではないか。日本国民がアジアの平和を望むなら日本国内の駐留米軍にお引き取り願って、日本国民が防衛の任に当たるべきだ。つまり自衛隊を増強して「普通の国家」に日本がなることがアジアの平和に繋がるということを知るべきだ。米国支配は緊張関係を世界に温存して、世界が米国を必要とする状態に置くことなのだという基本的な支配構造を理解すべきだ。むしろ「自制」すべきは世界各地に嘴を挟む米国の世界戦略ではないかと、その言葉をブーメランのように米国政府に送り返そう。


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