国民のための政治を。

 新年が明けて「今年こそは」という思いを新たにする。何が「今年こそ」はかというと、政治が国民の手に取り戻せるか否かということだ。
 民主党が政治家主導を目指して政権交代したが、鳩山氏が「最低でも県外」を主張して普天間基地移設を実現しようとしたが、自民党政権が日米合意した「辺野古沖移設」を官僚たちが死守したため、鳩山政権はあえなく潰えた。それを見て学習した菅氏や野田氏は政治家主導の政治を最初から放棄し、官僚たちの御膳立ての政治日程をこなす官僚主導の政治へと勝手に路線転換してしまった。

 つまり菅氏や野田氏たちは民主党を自民党にしようとしたのだ。自民党になろうとした民主党なら、国民は元祖自民党の方が馴染みがある。なにも新免許マークのヨタヨタ似非・自民党政権よりも元祖・自民党政権の方が良いに決まっている。
 それが安倍自民党復権の機動力だ。それを助けたのが野党を標榜するだけの自民党補完政党のみんなや維新の「第三極」騒動だ。国民はマスメディアが煽る「第三極」騒動が徹底的に政治主導を目指す野党勢力を潰す策略だったことが見抜けなかった。

 しかし国民の目は節穴ではなかった。自民党が圧倒的多数を獲得した一昨年12月の総選挙でも自民党が獲得した総数がその前の総選挙とほとんど変わらなかった。だから民主党が大敗したのは民主党が一人でコケタということだ。
 それは当たり前だろう。2009民主党政権交代の総選挙で民主党を支持した人たちが民主党を見捨てたのは民主党が自民党になろうとしたからだ。99%の国民のための政治ではなく、隷米・新自由主義を標榜する1%の人たちのための政治を民主党も目指したのだから、民主党支持者の大半が民主党を見捨てたのも当然の結果ではないだろうか。

 民主党の復権は民主党が自民党になろうとした人たちと決別しない限りありえない。自民党と対極をなす「国民の生活が第一」を掲げる野党勢力の中心に民主党が鎮座することは、自民党志向に走った人たちが民主党内にいる限り永遠にないだろう。
 自民党になろうとした民主党の国会議員の識別は簡単だ。「消費増税」採決の際に賛成票を投じた人たちは99%の国民に背を向けた人たちだ。社会保障の財源に消費税を充てるのが妥当だ、という財務官僚とマスメディアが捏造した大嘘を信じるような底辺政治家は1%に奉仕する人たちだ。彼らは社会保障が「富の再配分」政策だという根本原理すら理解していない欠陥政治家でしかない。

 小沢氏が「消費増税」に反対する民主党の最後の砦だった。野田氏が小沢氏の意見に従って「消費増税」決議を諦めていたら、これほど民主党はひどいことにはならなかっただろう。小沢氏こそが2009民主党マニフェストを書きあげた時の党代表だった。政権交代を果たした民主党は菅氏や野田氏の民主党ではない。彼らは民主党を自民党にしようとし、2009マニフェストを丸めてゴミ箱に突っ込んだ人たちだ。
 小沢氏は自宅で開催した新年会で「今年は午(うま)年で私も午年だ。昔からの言葉に、麒麟(きりん)も老いれば駄馬になる(麒麟も老いては駑馬(どば)に劣る)という言葉がある。一昨年からの一連の結果を見ると、「もう小沢一郎も老いて駄馬になった」と言う人たちがいる。しかしながら、このまま駄馬となって老い、死んでいくわけにはいかない」と述べたという。自民党と対極をなす野党大編成は小沢氏を中心にしてしか考えられない。

 今年はマスメディアが囃し立てただけで実態は金融緩和以外に何もないアベノミクスの化けの皮が剥がれて、国民はウタカタの安倍祭り騒ぎから目覚めて、いよいよ厳しい北風に晒される年だ。安倍氏は大叔父佐藤栄作氏の長期政権の再来を夢見ているようだが、一内閣一命題を実践した祖父・岸信介氏のように「日本版NSCと特定秘密保護法」のセットを仕上げたことで、政権からの退出となるだろう。
 48年前の丙午の人口よりも現在36歳の午年の人口は上回ったが、現在24歳の人口は48歳の丙午の人口よりも下回っていることを忘れてはならない。人口減社会は確実にこの国を蝕んでいる。安倍氏は「日本を取りもど」したのではなく、1%の人たちの利権を取り戻そうとしているに過ぎない。99%の国民は安倍政権によりさらに厳しい暮らしを送らなければならなくなって来る。しかし残念ながら、99%の国民が我慢することが日本経済の再生を意味しない。99%の国民が怒ることこそ日本経済を再生させる道だ。再び政権交代を目指さなければならない。しかし、それが自民党になろうとした民主党の復活を意味しないのは言うまでもない。km2295記


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