甘利大臣が「殿ご乱心」とはアンマリだ。

 安倍政権の甘利大臣が細川護煕氏の東京都知事選立候補かと報じられたことに対して「「エネルギー政策は国策として、国民の利益を考えて取り組むべきだ」と説明。全原発が停止し、代替の火力発電用の燃料となる液化天然ガス(LNG)の輸入などで、1日約100億円の国民の利益が海外に流出していると指摘し、現状を放置することは「政治家として努力が足りない」と」と解説して「殿ご乱心」と締め括ったようだ。
 誰が東京都知事に立候補しようと自由なはずだ。その動機として「脱原発」を掲げるのになんら不都合はない。甘利大臣が原発を停止すれば火力発電燃料の輸入が増えて貿易赤字額が増加するから国益に反すると批判している。それが安倍政権の本音だと国民の前に図らずも暴露してみせたようだ。

 火力燃料が高額なのは世界取引価格の約二倍の高額で取引しているからだ。なぜそうなっているのかといえば理由は簡単だ。火力燃料が高額であればあるほど、費用が嵩めば嵩むほど利益は総原価に対するパーセントで定められているから利益額が大きくなるからだ。
 つまり官僚たちが地域独占企業の適正利益を経営努力を無視して総原価の3%と決めたために起こっている高額購入をマスメディアが一切批判して来なかった、政治家も問題として国会で取り上げなかった結果が今日の事態を招いている。甘利氏は単位原価による比較を他国の購入単位原価と比べた上で発言しているのだろうか。しかも基本的人権に定められた参政権を奪うような「殿ご乱心」発言とは何事だろうか。

 そういえばテレビで記者の古手や暇な弁護士などのコメンテータたちが「東京都知事選挙で脱原発を訴える意味があるのだろうか」とバカなコメントを異口同音に並べ立てていた。もちろん東京都に原発はない。が、国民の一割以上の有権者を抱える国政選挙並みの都知事選挙で「脱原発」が問われて細川護煕氏が勝てば安倍政権の「原子力推進委員会」のこの夏の高浜原発再稼働を目論む動きに水を差すことになる。
 東京都民といえども国民の民意の表れとして細川護煕氏が勝てば、安倍政権の原発行政に影響を与えることになるだろう。先の衆・参議院選挙で自民党も「脱原発」であるかのような発言に終始して、選挙の争点から「脱原発」を消したのは自民党だ。そして大勝するや原発再稼働へと着々と布石を打ってきた。この姑息極まる政治家たちを代表して甘利氏の発言だとすれば参政権を奪うかのような憲法無視の「殿ご乱心」発言も頷ける。

 しかしTPPと同じように「絶対聖域は守る」として選挙に大勝して、TPPに参加するためには譲歩もやむを得ないと態度を変えるやり方は選挙制度そのものの否定につながりかねない。つまり民主主義の破壊行為を政治家たちが行っているとしたら、これほど本格的なテロがあるだろうか。
 かつてデモ隊に向かって「テロだ」と石破幹事長はうそぶいたが、甘利氏の発言に注意を与えないとしたら自民党のテロ感覚は児戯に等しいと言わざるを得ない。その政権が特定秘密保護法だの日本版NSCだのを作って、いよいよ何をやらかすつもりなのか。「安倍さん、ご乱心か」と書かざるを得ない。


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