「羊頭狗肉」政治家たちの席巻する政界。

 仲井真沖縄県知事が辺野古沖合埋め立てを承認したことから普天間基地の辺野古沖移設が決まったという。仲井真氏は先の沖縄県知事では「県外移設」を公約にしていた。見事なまでの「羊頭狗肉」政治家で、沖縄県民に3000億円の振興補助金の飴を舐めさせれば良いだろうという、有権者を舐め切った態度だ。
 それは安倍晋三氏にもいえる。彼は先の衆議院総選挙では「脱原発」に舵を切っていた。しかし参議院選挙で勝つや「原子力規制委員会」なる原発推進委員会を設置して原発停止を「原発直下の活断層問題」に矮小化した。「原子力規制委員会」と名乗っているが、名は体を表さない最たる実例ではないだろうか。

 政治が「羊頭狗肉」政治家たちによって好い様にあしらわれている。先の山口県知事選挙で全国的に当選請負人と評判の高い選挙コンサルタントが自民党公認候補に「脱原発」と公約するように勧めたという。なぜなら強力な対立候補が「脱原発」の論陣を早くから張っている飯田氏だから、自民党候補も「脱原発」と掲げれば争点が消えて選挙戦が有利に展開する、との当選請負人の進言だったそうだ。
 県知事自民党候補は請負人の進言通りに選挙公示直前に「脱原発」を主張し始めて見事に選挙戦を制した。しかし、果たして知事になるや上関にかねてから予定されている原発新設予定地沖の公有水面埋め立て許可取り消しを渋り始め、いまだに保留して安倍政権が原発新設のお墨付きを出すのを待っているかのようだ。

 当選さえできれば何を公約しようと問題ではない、という風潮は民主主義政治の根底を揺るがす異常事態だ。仲井真氏が辺野古沖移設を承認する記事を報じる全国紙の紙面から激しい怒りが一様に感じられないのはなぜだろうか。全国紙は仲井真氏が政府におねだりして条件闘争に転じた時点で承認近しとの感触を得ていたのではないだろうか。それならその時点で「公約違反だ」と警鐘を鳴らすべきではなかっただろうか。
 この国のあらゆるモノが劣化している。政治家は国民に対する信を弊衣のごとく脱ぎ棄てるのに躊躇なくなった。選挙ですら勝ちさえすれば何を公約しようと所詮は言葉の問題だ、という当選請負人の振り付け通りに踊るという浅ましさだ。官僚たちや経済人たちも右に倣えで「天下り」は営々として太り続けて「笹子トンネル天井板崩落事故」を引き起こして何の罪もない利用者を9名も犠牲にして誰も牢獄に繋がれていない。経済人は労働分配率を減少させ続けて利益を上げて、有能な経営者面をしている。政治家は民主党の過半数の政治家たちが「消費増税」に狂った管氏や野田氏を除名しなかったことから正真正銘の「羊頭狗肉」政治家だ。

 この国のマスメディアもかつては沖縄の基地負担の軽減を激しく訴えていたが、普天間基地の辺野古沖移設は軽減どころか焼け太りだが、そうした事態にも拘らず沖縄県知事や政府に対する批判は低調だ。この国のマスメディアも劣化して既に久しいというべきなのだろう。
 奇しくも安倍首相が参拝したことから朝日新聞が火をつけた「靖国参拝」問題により、韓国や中国や米国までもいわれなき批判を日本に浴びせている。この国のマスメディアは反日、御都合主義、羊頭狗肉マスメディアだ。しかし官僚やマスメディアを国民が直接排斥することは出来ない。だが政治家は選挙により、たとえ首相であろうとお払い箱に出来る。羊頭狗肉政治家は誰かを有権者は大きく目を見開いて日々検証し、次の選挙ではキッチリと生かそうではないか。
「日々雑感」km2295


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