安倍政権は医療保険の支出を削減するというが、

 年々膨れ上がる医療費に手を焼き、安倍政権は診療報酬の引き下げを検討しているという。かつて医療保険の赤字対策として診療報酬を削減したことがあった。それで病院経営で利益率が低く現場から不満が高まっていた救急医療と小児科が多くの病院で廃止になったといわれている。
 医療支出を削減する場合、現状を改革しない限りは診療報酬(開業医や病院への支出)か薬価(薬への支出)を削減するかしかない。なぜ医療制度そのものに関わるカルテの電子化を実施しようとしないのだろうか。カルテを電子化して国家一元管理にすれば重複検査や複数医療診療などのハシゴ行為を防げるはずだ。それだけで膨大な医療の無駄が省けるのではないだろうか。

 運転免許の更新に行ったら暗証番号の登録を求められた。新免許証はICタグ付きのものとなり、役場や銀行などで本人確認の手段としてより高い精度を持たせるつもりのようだ。
 運転免許証程度のものでも全国一元管理して、個人認証の手段にしている。なぜ命にかかわるカルテを電子化して全国一元管理しないのだろうか。本人が問診に返答できない重篤な事態に陥った緊急事態の場合、誰がどうやって重要な既往症や病歴、服用していた薬やアレルギー情報などを的確に医療現場に提供するのだろうか。

 カルテの電子化に対する初期投資は官僚たちも住基ネットでボラレた経験を反省しているだろうから、まさか数千億円もかかるとは思わないだろう。カルテのフォーマットの統一と使用文言などの統一などで多少は綱引きが演じられるかもしれないが、国際化を考慮すれば当然ながら英語表記に落ち着くだろう。
 現在行われている電子レセプト管理システムもカルテの電子化と統合すれば無用な冗費は防げるはずだ。膨大な医療事務も合理化がはかられ、保険料請求もカルテの電子化により無駄な手続きが防げるはずだ。断言しておく、カルテの電子化と保険請求を連動させて自動化すれば膨大な診療費用が削減されるに違いない。

 真面目に診療して開業医が一日に一体何人診察できるというのだろうか。一人に10分かかれば一時間で6人だ。不休で8時間ほど診察しても50人足らずのはずだ。それが街の開業医は一日に100人以上も診察している、と保険請求しているのはザラだ。
 子息を私立医大に入れたければ勤務医ではダメで、開業医でなければ高額な教育費を賄えないというのが医療界の常識だ。病院経営は厳しいが開業医院は儲かっている、という現実はどこかおかしいと思うのが当然ではないだろうか。

 何かと理由をコネて、抜本的な改革に手を付けようとしない官僚たちは曲者だ。それを押し切れない政治家たちは無能の誹りを免れない。世界の先進国では常識のカルテの電子化による一元管理がこの国ではなぜ出来ないのか、誰か教えて欲しいものだ。
 特定秘密法が成立したのだから、カルテの個人情報は真っ先に特定秘密に指定されるはずだ。個人情報が云々という言い訳は通用しない。ただちに取り掛かるべきではないだろうか。


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