人権蹂躙はいかなる国でも政権でも許されない。

 日本の大学教授である中国籍の朱建栄氏が中国当局に拘束されて3ヶ月が経った。この7月に上海で行われる会議へ出席するため中国へ行き、消息を絶ったまま当局により「情報漏洩」で取り調べを受けているようだとの報せがあったきりだ。
 中国政府は法倫功という宗教団体を徹底して弾圧し、投獄と拷問により15000人も虐殺されたといわれている。それは天安門事件の20世紀中国のことではなく、紛れもなく21世紀現代中国で行われていることだ。

 しかし人権蹂躙は中国の専売特許ではない。日本でも「未決拘留」という人権蹂躙が行われているし、学校のイジメさながらにマスメディアによる不確実な「情報」を連日あらゆるメディアを通して垂れ流すことにより徹底した人権蹂躙を行った。4年近くも謂われもなく、この日本で行われた小沢氏への「政治とカネ」プロパガンダのことだ。
 それにより国民に「小沢氏=悪人」とのイメージが植え付けられた。小沢氏が無罪となった今日もマスメディアは自分たちが犯した罪悪を反省することなく、不当に貶めた小沢氏の名誉回復を図ろうとする動きすらない。この国のマスメディアが腐り切っていると批判する所以だ。

 産経新聞が朱建栄氏のことを取り上げたのは正しい。国連憲章にいかなる国においてもいかなる政権においても人権は尊重されるべきだと記されている。中国は国連の常任理事国たる資格はない。
 そういえばロシアもプーチン批判する政敵を策動により政界から追放したり、政敵を殺害しようとした疑いがもたれている。米国でも国の機密情報をネットに流したとしてウィキリークスの責任者を拘束したり、スノーデン氏を世界中で追いかけ回したりしている。彼らも政権を守るために平然と他人の人権を蹂躙して恥じない連中だ。

 日本でも新興宗教が華やかなりし頃、創価学会による言論弾圧や人権蹂躙が公然と行われていた。宗教には「没我の境」と「思考停止」が不可分なところがある。信心が浅いから「没我の境」に到っていないとし、「頭を取れ」(自分で考えるよ、すべた信仰に委ねよ)と強要し「思考停止」状態に陥らせる。それが個人の「思想信条の自由」を標榜する民主主義に反するから政教分離を憲法に明記しているのだ。
 安倍首相は福一原発は「完全にコントロールされ完全にブロックされている」という宗教に入信しているようだ。だから官房長官も同じ宗教に入信し、マスメディアも同じ宗教に入信しているようだ。しかし信仰すれば「放射能汚染」がブロックされコントロールされるのではない。

 科学的な現象は科学的に報告すべきだ。放射能汚染は現代の科学的失敗により発生している。科学的失敗とはまず原子炉を建設したこと、トータルコストでは天文学的経費がかかるにも拘らず「廉価な発電装置」だと大嘘を国民に発信し続けたこと、そして非常電源のディーゼル発電機を地下に設置したことと、水は高い所から低い方へ流れるという「ソーメン流し」を楽しむ幼児でも知っている原理を失念したことなどがあげられよう。
 そして今もアベノミクス教を唱える裸の教祖様の周囲に群がっている愚かな政治家や学者や評論家たちの馬鹿面が連日テレビ画面に登場する。個人消費を冷却して法人を優遇すれば景気が良くなる、などという経済学者が仰天してひっくり返るような政策を安倍首相が堂々と国会で述べても、経済学者の一人として「あなたは間違っている」とマスメディアに登場して発言しない。この国の学問は学者と称するオタクか教祖様に群れる御用学者のためにあるかのようだ。

 果たして日本は朱建栄氏を拘束した中国を批判する資格があるだろうか。小沢氏の名誉回復を図らないこの国のマスメディアは中国政府よりも上等だといえるだろうか。金融緩和以外に経済的な実態のないアベノミクスを唱える新興宗教を布教するマスメディアに中国政府を批判できるだろうか。この国は本当に民主主義国家なのだろうか。


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