人事院は内閣に公務員給与据え置きを求める「報告」を提出。
戦後二度目の椿事だという、人事院が内閣に公務員給与据え置きを求める「報告」を提出ことが、だ。人事院が提出するのは「勧告」が通例だが、内閣人事局に公務員給与の引き下げをしない「報告」をするとはいかなることなのだろうか。
そもそも公務員給与は民間勤労者給与に準拠して定めるとされている。現行の公務員給与は勤労者給与に準拠していると云えるのだろうか。そうは思わない国民が殆どではないだろうか。
人事院が本来の機能を喪失しているのなら、内閣人事局が政府の権能で公務員給与を適正水準に戻すのは当たり前のことだ。
国も地方も財政が逼迫し、未曾有の国債残高を抱えるこの国の公務員が民間企業の給与水準を遥かに超える給与と年金を手にし続けているのを異常事態だと感じない人事院とは何だろうか。
所詮は公務員が掌る「人事院」だから、自分たちも含めた公務員に甘く査定するのが常かもしれないが、法は法である。民間企業労働者給与水準に準拠させるべきなのは義務だ。それを放擲して「引き下げないで欲しい」との報告を提出したような人事院は既に役目を終えた機関だというしかない。
国民に負担増を強いるだけが政府の役目ではないはずだ。公務員改革や行政改革を徹底すべきこそが政府の役目だ。日本だけが未だに各勘定に分離した大福帳会計を用いているとは世界に恥ずべきことではないか。
公務員に聖域なく労働三法を与えて、労働者として労働の対価を政府と交渉する給与改定方式に変更すべきだ。さもなくばギリシヤのように公務員天国となって財政破綻するだろう。国民に消費増税を求める前にやるべきことがある、その第一歩が本来の役目を放棄した人事院の廃止だ。