全国幹事長会議で「アベノミクス対案」や「代表交代論」などのチマチマとした議論しか出ないのか。
民主党の全国幹事長会議が開かれたという。相次ぐ国政選挙で大敗して政党が再出発を期すべき全国幹事長会議にしてはあまりにお粗末だ。
なぜ民主党支持者であった者が離反したのか、その理由を全国の有権者から聴取することもなく、内輪の民主党都道府県会議員などが就任している幹事長を招聘してワーワーやっているとしか見えない。それで党が再生できるのなら世話はないだろう。
安倍政権が去年から日銀総裁人事絡みの異次元金融緩和を断行し、マスメディアも悪乗りしてアベノミクスという景気に関して効果不明な政策に狂奔してきた。その化けの皮が剥げるのは時間の問題で、なにもアベノミクス対立軸を策定するほどのものではない。
むしろ問題にすべきは小泉政権下に米国の行政要望を全面的に呑んで敢行した新自由主義政策を、安倍政権で更に推し進めようとしていることだ。小泉政権下で推し進めた政策の弊害が日本全国を暗雲のように覆っているにも関わらず、さらに性懲りもなく推し進めようとしているのだ。
国民生活に最も大きな影響を及ぼすのは正社員の非正規化政策であり、独立国家としての関税自主権のみならず日本社会慣習や文化までも米国流に蹂躙されかねないTPP参加とISD条項の脅威だ。もちろん民主党支持者を裏切った「消費増税」への反省と撤回を全国幹事長会議で決定すべきだった。
そうした根本的な反省と党政調の謝罪がない限り、民主党は再生はあり得ない。福一原発放射能事故に関しても、東電に3兆円も助成金を出していながら東電が碌に放射能汚染水の管理すら出来ていない現状に怒りの声が幹事長会議で湧きあがらなかったのも不思議なことだ。民主党は電力事業の自由化にどのように対処しようとしているのか旗色を鮮明にすべきだ。
向こう3年後の国政選挙へ向けて、民主党は国民の中へ入り込んで、国民の声を直に聞くことだ。民主党は政権政党になった三年有余の間に全く別の党に変節してしまった。このままいかに立派な党是を掲げようと、根本的な反省と路線転換なくしては口先だけの改革でしかないとして、国民の大半は信用しないだろう。党消滅の淵にある、という自覚なくして民主党に明日はない。