失業率改善はアベノミクス効果だと煽るマスメディア。
6月の雇用統計で失業率が4年8ヶ月ぶりに4%を下回って3.9%になったとマスメディアは「これもアベノミクス効果」だと安倍政権を持ち上げている。しかし中身を見ると正規雇用は依然として減少し、拡大している職種も飲食や物品販売などの比較的時給の安価な分野に限られている。
問題とすべきは未来の雇用に直結する設備投資が伸び悩んでいることだ。「資本財出荷」は前月比4.1%減で「建設財出荷」も1.9%減だった。アベノミクス効果が限定的で、経済全般を牽引する力がないのは歴然としている。
しかも明日から物価・料金値上げは目白押しだ。電気料金値上げは家計のみならずあらゆる分野に波及するため、インフレ指数を上げるだろう。それは個人所得の上昇前のインフレのため可処分所得を減少させ、景気の足を引っ張ることになるだろう。
マスメディアは必死になってアベノミクス効果で景気が良くなったかのような幻想を国民に与えようとしているようだ。テレビでは失業率改善と求人倍率改善だけを取り上げていたが、中国経済がいよいよバブル崩壊の様相を呈し日本経済に何らかの影響が出るのは間違いない。
安倍氏は投資減税を「秋にも取り纏める」としているが、何というノロさだろうか。マスメディアがアベノミクスと囃し立てることが安倍政権に「政府の経済政策は成功している」と思い込ませているとしたら由々しきことだ。角を矯めて牛を殺すとはまさしくこのことだ。
国民の苦しみをよそに浮かれている政権が高支持率を維持しているとは到底思えないが、これも寝苦しい夏の夜の夢なのだろうか。