理念なき政界再編は「野合」に過ぎない。

  民主党幹事長の細野氏が選挙当日にみんなの幹事長江田氏や維新の会の「松野氏たちと会合して政界再編を議論していたという。バカなことをやっているものだ。


 まず政治理念を示さなければ政界再編もあったものではない。単に「好き」「嫌い」の感情論に過ぎず、三党の政治家が集まって政党離散を語り合ったのが事実なら「野合」との誹りを免れない。


 


 政党とはそれぞれ政治理念により政治家が集まった集団であるべきだ。数を頼んで利益実現のために政治理念を異にする政治家が集まった集団では、政権を失うと遠心力しか残らない。


 ただ自民党のような例もある。政権を失ってもそれほど多くの離党者を出さなかったが、自民党の政治家が政治理念を同じくする者が純粋に集まっているとも思えない。ただ公明党と連立を組んでいるため、自民党にいれば選挙区で2,3万票が上乗せされる利点が捨て難いのかもしれない。


 


 しかし自公政権が目指しているのは米国流の社会の実現だ。それは1%の投機家たちのために99%の国民を切り捨てる社会だ。自由な金融資本主義を突き詰めるとそうした社会になる。


 翻って、資本主義は暴れ牛のような投機家たちの自由を制限し、99%の国民を劣悪なドン底生活から文化的な市民生活の実現に「富の再配分」を政治の使命とする「社会保障制度」の拡充に邁進してきた。


 


 しかし昨今の新自由主義者たちは「規制撤廃」や「構造改革」の美名の下に、政治が社会保障から手を引き、それすらも1%の手に委ねようとしている。医療改革と称する「混合診療」や「自由診療」という名目による医療保険制度の破壊を目論んでいる。もしも医療保険を民間保険会社が担うとすれば、それは巨大保険利権の実現に他ならない。


 それがどんな社会かは米国を見れば明らかだ。病気になっても保険に入っていない人たちは救急車で運ばれても医療を受けられず廊下に寝かされるか、最初から病院が診察を拒否される。保険に加入していなければ盲腸の手術ですら百万円を超える請求書を突き付けられる。


 


 それらを「自己責任」だというのは余りに酷だ。人は誰も好んで貧乏しているのではない。カネがすべてで、カネを持たない人がクズ扱いされる社会が国民の求める社会だろうか。


 民主党の細野氏がどんな政治を目指しているのか判然としない。ただ彼は「消費増税」の菅・野田政権で重要な地位にいた。みんなの江田氏がどんな政治理念を持っているのかも解らない。ただ口を開けば「構造改革」を機関銃のように喋っているようだが、彼が何を見詰めているのか解らない。民主党から維新の会へ移った松野氏がどのような政治理念を持っているのかも判然としない。ただ維新の会は「道州制」だの「大阪都構想」だのと行政区分の変更を唱えている。それにより無駄を省き「構造改革」を行うというのだが、単に地方権力の肥大化・集中化を狙っているとしか思えないところもある。ただ行政組織を改編して一体何をやろうとしているのか、最終目的は語られていない。


 


 民主党は2009マニフェストが逸脱した民主党政権を民主党の全員が反省すべきだ。99%の国民の側に立つ2009マニフェストをかなぐり捨てて、1%の奉仕者たる官僚の走狗になり下がった菅・野田政権の政治理念と決別しなければ、支持者が戻って来るとは思えない。


 次の選挙を考えるのは政治屋で、国家と国民の将来を考えるのが政治家だといわれている。この国で真の政治家が何人いるだろうか。



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