民主党は99%の側に立つ国民政党に脱皮せよ。
昨日、民主党は参議院選挙大敗を受けて、国会議員総会を開いたようだ。その場で海江田代表など執行部の責任を問う声が上がったという。「出直し的な反省が必要だ」というワケの解らない声が若手から出たようだが、なぜ民主党が昨年の12月総選挙以来負け続けているのかという根本的な議論は一向に出てこないのはなぜだろうか。
民主党が政権を取ったのは2009マニフェストで戦った総選挙で大勝したからだ。国民との約束たる2009マニフェストは従来からの自公政権の政策と大きく異なる「直接支給」の子供手当を掲げていた。それこそが官僚主導の制度事業を否定するものだったため、官僚はマスメディアを使って「財源なきバラ撒き」との嵐のような批判を展開した。それにより民主党政権は政治主導の旗印をあっさりと降ろし、菅・野田政権では自民党政権そのものの「TPP参加」や「即時脱原発」の撤回や「消費増税」へと方向展開を国民の承諾なしに勝手に行ってしまった。
それが民主党が信を失った根本原因だが、民主党両院議員総会でそうした路線転換という変節ぶりを批判する声が出なかったのはなぜだろうか。いや「消費増税」に反対した小沢氏とその仲間たちは離党せざるを得なかったため、現在の民主党国会議員内にそうした2009マニフェストへ回帰すべきとする声が出ないのだろうか。
それなら民主党は自民党と全く同じ新自由主義政党というしかない。官僚と1%の側に立ち、国民から富と労働力を搾り取るだけの政策を展開するつもりだと見なされても仕方ないだろう。今後とも民主党は自民党の支持層を取り込むのは不可能だから、党勢が衰退するのは自明の理だ。
民主党が党勢を回復して再び政権を担う方途は新自由主義に対抗する国民政党を目指すしかない。そのためには国民に奉仕する立場から搾取する勢力になり果てた官僚・公務員に対して改革を敢然として行い、行政を効率化するしかない。そして社会保障制度を99%の手に取り戻し、国民が等しく暮らせるものに立て直さなければならない。
今一度、民主党の両院議員に問いたい。あなたたちに新自由主義と官僚主導政治に敢然と立ち向かう決意はあるのか、と。「消費増税」に賛成したことを心から自己批判し、反対して離党した小沢氏とその仲間たちを三顧の礼を以て民主党に戻って頂くことが出来るのか、と。
それが出来なければ民主党はコップの中の嵐を何度も繰り返して、壊滅への坂道を転がり落ちるのみだ。しかし、それも良し。栄枯盛衰は時の流れだ。民主党に新自由主義と対峙する決意がないのなら、誰かが新しい党名を掲げて99%の側に立つ有権者たちを糾合するだろう。ただ、それだけのことだ。