御厨氏の「靖国神社参拝は日米関係を冷え込ませる」に、だからどうなの。

 6/21付の読売新聞4面に掲載している御厨氏の論説には賛成できない。安易に政府要人が靖国神社に参拝することは戦線のABCD包囲網と同じように、米中韓包囲網が形成されて、日本が再び苦境に陥る可能性があると牽制している。また、靖国参拝は米国のアーリントン墓地参拝とは異質なものだとの論理「南軍も北軍の兵士も埋葬されているが、参拝する者に奴隷制度を認める者はいない」という推認の範囲でしかない断定には正直驚かされた。


 アーリントン墓地に参拝する人たちがどのような考えを持っているかは問題にしてはならないだろう。なぜならそれらはすべて推測の範囲を超えないからだ。


 それなら御厨氏は靖国神社参拝者は先の大戦を容認している人たちばかりだとでも思っているのだろうか。それこそ飛んでもない決め付けだと云わざるを得ない。


 


 靖国神社参拝は米国に不快感をもたらすだろう、というのは論理として理解できる。米国は日本が再び国際社会で発言力を増して主導的立場に立つことを恐れている。そうしないための日本国憲法であり、人類史上最悪の東京裁判だった。


 A級戦犯としてあらゆる名誉を剥奪し、全人類のみならず日本国民への犯罪者だと決めつける手続きとして勝手に事後法を作って裁いたのが「東京裁判」だ。だから永遠に日本国民はA級戦犯を生み出した国民として反省の日々を送らなければならないと米国は懲らしめた、はずだった。しかしサンフランス条約により独立を果たすや、日本国民は国会で全会一致に近い賛成でA級戦犯の名誉回復決議を行った。それは戦前・戦中の世界を生き抜いてきた日本国民の多くが生存していたため、自分たちの先人に対する不当な戦勝国による思いあがった決めつけを跳ね返す決議でもあった。しかも殆どの日本国民には仏教徒として「死者はすべて仏となる」との教えが染みついている。死者に鞭打つことをしてはならない、というのは日本国民の常識だ。


 


 米中韓の包囲網が出来るだろうとは妄想も甚だしい。米国と中国とは日本に対して利益を共有していない。かつてのABCD諸国のように日本を包囲して米国は日本に何を要求するというのだろうか。中国は日本の領土と金融資産と科学技術を絞り取れば良いだけだろう。韓国は日本に対して何を要求するというのだろうか。


 かつてのABCDラインは欧米諸国がアジアに築いた権益を守るには黄色人種国家の日本が力をつけて来たのが腹立たしかったに過ぎない。日本が朝鮮半島や台湾に対して行っていた「併合政策」は欧米がアジア諸国に対して行っていた「植民地政策」とは大きくかけ離れたもので、その実態が彼らの植民地住民に知られることは植民地政策の破綻を招きかねない危険なものだった。だから日本を叩き潰す必要があって、ABCDは協力して日本を包囲し経済封鎖したのだ。そして日本を破滅的な大戦へと突き落としたのだ。日本だけを戦犯として裁いた東京裁判は公平性を欠いているのは明らかだ。それに非を鳴らさないいかなる論評も読むに値しない。


 


 御厨氏は安倍首相の「侵略の定義」発言にも苦言を呈しているが、臭いものに蓋をするのではなく、堂々と国際社会に問い掛けるべき問題ではないだろうか。中国がアフリカ諸国に対して行っている経済援助は経済侵略ではないのか、といった観点からも、侵略とは何かを明確にしておくべきだ。


 戦後日本は臭いモノに蓋をし過ぎて来た。それに対して臭くもないモノを論って周辺近隣諸国に媚びる反日マスメディアの暗躍する素地を醸成してしまった。今も大きな顔をして新聞を発行しているのみならず、テレビ放送のネットワークまでも支配している反日マスメディアは日本国民世論を惑わし続けている。


 どの国もその国の国益のために動いている、という単純明快な事実をなぜ説明しないのだろうか。米国が日本政府要人の靖国参拝に不快感を示すとしたら、その原因は何かを日本国民に説明しなければならない。GHQが徹底して日本国民に刷り込んだ「日本国民悪人説」の呪縛が解けかかっているのに米国は焦っている。再び日本国民に「日本国民悪人説」の呪縛を掛け直すにはどうすれば良いか、米国は戦略を練っている。


 


 自民党政権はGHQの呪縛に従って戦後体制下を米国の忠実なポチとして日本国民を導いたきた。しかし三代目の安倍氏は政権運営方針を「戦後レジューム」からの脱却と謳ったため、米国は腰を抜かさんばかりに驚いただろう。いよいよ呪縛が完全に解けてしまったかと思ったが、政府委員に竹中氏などを入れたことにより米国のポチとして米国の行政要望を日本政府は聞き入れるだろうと確信して胸を撫で下ろしたに違いない。そして年金基金の投機資金化と混合医療容認策を竹中氏たちが打ち出したことによりニンマリとしていることだろう。「おお、忠実なポチたちよ」と。


 


 御厨氏たちのような現実の国際社会のありようと国家間の願望と、日本国の今後のあり方が明確に識別できない、漠然とした不安に駆られた人たちが存在する限り、日本は真の独立を果たすことはできない。首都圏にこれほどの外国軍が展開している国がマトモな独立国家といえるだろうか。日本国内の普天間基地一つ動かせない首相が独立国家の首相と呼べるだろうか。米国という障子を通した影絵を見るのではなく、日本の実態を俯瞰的に評す人が日本のマスメディアの論壇に登場するにはまだまだ呪縛から完全に醒め切っていないということなのだろうか。



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