製造業の再生こそ急ぐべきだ。

  ここ20年間、製造業の法人税の落ち込みが続いているという。その大きな要因として20年間に海外移転率が10%から20%に増加したことがあげられる。


 それを解消すべく政府に「即時償却」を求める声がある。つまり生産性の低い設備を廃棄して新しく設備投資を喚起するような政策を実施すべきとする意見だ。


 


 しかし一方で安倍政権は企業の海外移転や国際化を推進するとしている。国際分業に必ずしも反対するものではないが、企業の海外移転は愚策に過ぎず、強く反対したい。


 国内に失業と税収減をもたらすだけの海外移転をなぜ政府が推進するのか理由が分からない。企業論理として最小投資の最大利益を求めるのは必ずしも悪とはいえないが、安易に「安い労働力」を求めて海外へ移転するのは安易な経営だと批判せざるを得ない。


 


 日本企業は日本国民のために何が出来るかをまず第一に考えるべきだ。社会貢献とはまず企業を倒産させないことだが、だからといって海外移転させればすべて解決するものでもないだろう。


 国内への企業投資はここ20年間は低調だった。新規生産設備投資は海外でなされ、国内生産設備は陳腐化するばかりだ。老朽化した設備はさらに生産性が低下し、新規投資するには労働費の安い海外に行おう、とする経営者の動きが今後も続くとすれば、日本の国民経済は由々しき事態に陥る。いかに強いボクサーもボディーブロウを打たれ続けていると、足が止まりついにはリングに沈むしかないのだ。


 


 何よりも企業の国内投資を促す政策が必要だ。「即時償却」は単に旧式設備を廃棄しやすくするだけで、さらに海外に投資しやすくしかねない。そうした政策は日本経済と日本国民にとって不要だ。


 まずはUターン減税を行うべきだ。国内設備が旧式で生産性が低く国内生産に経営者が魅力を感じないとすれば、それは「海外移転病」に罹っているとしか思えない。海外に工場を移転させることが上等な経営者であるかのような幻想を日本のマスメディアは日本社会に浸透させ続けて来た。それは反日マスメディアの日本国衰退促進の策謀に過ぎない。


 


 日本国内から製造業がなくなれば日本国内労働者の半数近くが失業することになる。海外移転がもたらす副作用がいかに大きいかを経営者は認識すべきだ。国民生活に寄与しない企業活動は反・国民的だと断定されても仕方ない。


 日本企業は国内生産を最重点策とすべきだ。そのための投資減税ならUターンに拘らず、税制面で大胆に優遇すべきだし、そのための融資なら政府保証を付けてでも大胆に推進すべきだ。それが若者に魅力ある職場を提供することになり、日本企業の生産性を全体として上げることに寄与して、加工貿易立国として明治以来の伝統を日本経済が取り戻すだろう。


 


 内需拡大を強く欧米から求められ、余りに委縮した日本政府と経営者たちにより日本の製造業までも委縮しすぎた。現在の15バーセントにも満たないGDP比の海外取引は余りに異常ではないだろうか。


 中国の36%や韓国の50%を超えるGDP比の海外取引割合に対して、なぜ欧米はかつて30%だった日本を強烈に「集中豪雨的海外輸出」だと叩いたのと打って変わって叩かないのだろうか。欧米諸国のダブルスタンダード振りには今さらながら驚くし、それに対して沈黙を守る日本の政治家たちや官僚たちや経営者たちにも驚かざるを得ない。彼らは日本国民のために汗を流しているのか、それとも日本国民以外の誰かのために働いているのかと疑問を抱かざるを得ない。


 


 日本政府は日本のモノ造りの伝統の灯を消さないためにも、製造業の再生に政策を集中すべきだ。それが国民経済の底上げに寄与する近道だ。



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