日本のモノ造り企業は国内へ回帰せよ。
さる14日トヨタ自動車の株主総会で豊田社長は「09年の社長就任以来、多くの困難に直面したが、貴重な経験を積み、多くを学んだ」と力説した。株主から競争力の強化について問われ、「労働力が安い地域で生産すれば良いと勘違いしていた」と振り返った。その上で「(コストが高くなっても)生産性を10倍に上げて、日本のものづくりを守っていく」と強調し、国内生産300万台の体制を維持する考えを強調した。(以上「読売新聞」引用)
豊田社長といえば就任早々に米国でセルシオが暴走して事故を起こしたと、欠陥車騒動が持ち上がり、米国議会の公聴会に呼ばれて酷い吊るし上げを受けた。
このブログを書き始めたきっかけとなった事件で、私は当初から「米国議会の集団ヒステリー」だと断定した。常識的に考えればトヨタ製の自動車がブレーキを踏んでも止まることなく暴走することはあり得ない、と考えるのが正常だ。
しかし米国議会は正式な調査委員会を設けて調査を依頼した。なぜ暴走事故を起こしたセルシオがその後転売された所有者の許で数万キロも正常に走っていることを取り上げないのかと疑問に思った。
当時の米国自動車産業の状況はフォードやクライスラーはいうに及ばず、GMでさえ破綻の危機にあった。そして米国人の怒りは好調な販売成績をあげているトヨタに向かった。
結果として事故調査委員会の調査結果はアクセルとブレーキの踏み違いだと結論付けられた。しかしトヨタへの欠陥車疑惑が響いて、販売が大きく落ち込んだ。その保障も賠償も米国議会の事故調査委員会は行おうとはしなかった。
つまり「やった者勝ち」に終わった。同様な酷い事件が米国でのトヨタ欠陥車事件の直後に、日本の政界でも演じられた。いうまでもない、小沢氏に対してデッチ上げられた「陸山会事件」だ。三年有余にわたる検察とこの国のバカなマスメディアによるプロパガンダ報道を執拗に仕掛けられ、首相になるべき人物が党内で座敷牢に入れられ、無罪となったが「やった者勝ち」の状況になっている。
なんとも酷い罠を仕掛けられたものだが、豊田社長は臆せず米国議会の公聴会で堂々と意見を述べたのは称賛に値する。小沢氏も糞のような検察と最高裁の捏造事件に見舞われても、理念の政治家らしく怯むことなく政治家としての筋を通し続けている。
14日の豊田社長の発言はモノ造り日本の原点だ。労働力の安い海外へ企業展開して稼ぐのは上等な企業経営者とは言い難い。労働費が日本の方が10倍するなら、生産性を10倍にする努力をすれば良い。至極当たり前の論理ではないだろうか。日本の企業が日本国民への還元を忘れて企業利益最優先の安易な選択をするのは経営者の理念のなさだ。そしてそれを囃し立てた日本のマスメディアはまさしく反日マスメディアというしかない。
ただ、米国製のトヨタ車でマット巻き込みによるアクセルの不具合が生じたことを忘れてはならない。日本の労働者なら生産段階で必ず改善して、巻き込みが起こらない対策を立てていたはずだ。
日本の質の高い労働者を疎かにしてはならない。この国の正規労働者を派遣に置き換えるぐらいなら、海外展開した工場を日本国内に回帰させて、質の高い労働者を大切にすべきだ。豊田社長が米国議会へ呼ばれた当時、ケンタッキー州のトヨタ系の工場で働く17万人の米国人労働者たちは豊田社長を励ましただろうか。日系企業は日本国内への原点回帰を推進しようではないか。そして安倍政権は企業のUターン投資減税を大胆に行うべきだ。モノ造りを忘れて国の未来は決して明るくないと心すべきだ。