北朝鮮がモンスター化した責任は中国と米国にある。

  ソ連が崩壊した後、極東には中国と米国が影響力を強めようとする二大勢力があるのみだった。世界的にはソ連と米国という超大国の対立が解消し、平和が訪れる希望が一瞬だがみなぎった。


 しかし世界平和を脅かしていた共産主義と資本主義というイデオロギーの対立は影をひそめたが、次に顕著になったのがキリスト教とイスラム教の対立という10世紀にわたる宗教対立の蒸し返しだった。特に両宗教勢力が激しく境を接する中東で紛争が絶えなくなった。


 


 米国の関心事が中東へと向けられる間、極東の安定のためには日本の協力が欠かせず、極東で唯一日本が国交を結んでいない北朝鮮の存在を重宝した。同時に中国にとって北朝鮮は独り立ちできずに常に中国を頼る属国のような存在で、北朝鮮がある限り米国の直接的な脅威は中国本土に直接及ばない重宝な存在だった。


 極東に大きな影響力を持つ二大国にとって北朝鮮はコインの裏表のように同じく重宝な存在だったため、潰すことはせず利用することを暗黙の合意とした。なぜそう思うのか、理由は簡単だ。潰そうと思えば躊躇なく中国も米国も相手の主権や相手国民の安全にはお構いなく軍事侵攻する国家だからだ。


 


 北朝鮮がミサイル配備するに際してもロシアや中国は見て見ぬ振りどころか積極的にミサイルを売りつけ、技術支援まで行った。次に核開発の動きがあっても、米国は「大量破壊兵器」があるという疑いだけでフセインのイラクに軍事侵攻したが、北朝鮮は現実に核実験を強行しても軍事侵攻することはなかった。


 中国も北朝鮮が核開発するのを黙認した。なぜなら核を保持しても北朝鮮は中国の支援なしには食料も経済も思うに任せず国家基盤が危うくなるのを知っていたため、中国の支配が及び続けると錯覚した。


 


 しかし核搭載の弾道弾ミサイルを手に入れた北朝鮮は国家としての存在を中国と米国に認知を迫った。もはや風にそよぐ葦のように二超大国の思惑のままに好いようにされる国家からの脱皮を試みているように見える。


 米国が日本を米国のATMとして使うために、日本が米国を頼りにするしかない軍事的脅威としての北朝鮮を利用してきたが、ここに到って極東の戦略変更を迫られる事態に陥っていることを認識した。それは中国も同じことで、中国を頼りとするしかない属国のようなものだと思っていた北朝鮮が中国の脅威にまで育ってしまった現実を突きつけられて驚愕している。


 


 北朝鮮をモンスターに育てた責任は中国と米国にある。両国は北朝鮮の孤立した特異な存在を極東支配に利用してきた。そのツケを払わなければならない時がやってきた。


 日本国民も北朝鮮の脅威が米国と同盟関係を結んでいる間に育ってきたことを認識しなければならない。日本の安全のために日米同盟が役立つと頑なに信仰している愚かな連中も少しは目覚めるべきだが、いまだに「米国との同盟関係が今こそ必要だ」と狂気じみて叫ぶ隷米勢力がこの国で多数を占めている。その先頭に立っているのがこの国のマスメディアだ。


 


 安倍政権は中国との関係改善に議員団を送るという。一体どのような友好関係を中国と構築したいのだろうか。北朝鮮を支援して核保有国にまでモンスターを育てた反日国家と、どのような友好関係を結ぶというのだろうか。しかも日本の領海を実質的な中国海軍艦艇が脅かし続けているにもかかわらずに、だ。


 北朝鮮の軍事的脅威をあおるだけのこの国のマスメディアに極東の安定化を論じる資格はない。なぜこうなったのか、中国と米国の責任を追及し、北朝鮮からミサイルと核という危険な玩具を取り上げさせなければならない。その責任も中国と米国にある。



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