なんとも杜撰な危機管理。
またかと呆れ果てている。福一原発の配電盤事故だ。またしてもネズミが入り込んでショートしたのが原因だとしているが、ネズミが入り込むような配電盤を使用していることこそが問題だと前回の事故で思わなかったのだろうか。
それだけではない。放射能汚染水の流出がかれこれ200トンを上回っているにも拘らず、シート張りの即席貯水槽を撤廃して、コンクリート造りの恒久的貯水槽の建設に即座に踏み切らないのはなぜだろうか。
いうまでもなく、前野田首相が「収束」宣言をしたのは嘘っぱちで、いまだに一号炉から三号炉までの溶解した核燃料の所在場所は分かっていない。収束どころではなく、日々膨大な放射能がダダ漏れに漏れている。
核燃料の所在場所が判明して冷却し「収束」したところでどのようにして回収して放射能を遮断して運ぶのか、方法論が一向に出て来ないのはなぜだろうか。どうしようもないから数十年にわたり現状で冷却し続けるしかないと判断しているのだろうか。
なぜ国家の威信をかけて大規模な土木工事を行わないのだろうか。一号炉から四号炉まですっぽりと放射能拡散防止壁で覆い、核燃料が溶解してタ゜マになっていると思われる地下のはるか下までをすっぽりと掘り囲んでコンクリート壁で覆い尽くすという方法を採らないのだろうか。
もちろん膨大な予算を必要とするだろう。しかし国が補正予算で組んだ公共事業費4兆円は必要としないはずだ。それなら国土強靭化の前に国土放射能汚染防止工事に全力を傾けるべきではないだろうか。
そして東電や経産省が説明している放射能汚染水が本当に海や地下水を汚染していないとしたら、200トンを超える汚染水は一体どこへ消えたのだろうか。誤魔化しで地域住民や周辺漁民を煙に巻くのはやめて、正直に放射能測定値を開示すべきだ。
200トンを超える汚染水が問題なのではなく、汚染している放射性物質がどこへ行ったのかが問題なのだ。水が蒸発してなくなったというのなら、どこで蒸発し放射性物質はどこへ拡散したのかを国民に知らせるべきだ。汚染水がどこへ消えたのか、子供騙しのような説明に終始していて、この国の危機管理は万全だと誰が思うだろうか。