電力政策は次のステップへ速やかに進むべきだ。

  この夏の節電目標は設定しないことにしたと、電力各社と協議して政府は結論を出した。去年の夏と比較して節電が国民に浸透したから、としているが原発なしで日本の電力供給が賄われることは明らかだ。


 原子力ムラの広報機関になっているマスメディアは猶も原発再稼働は必要だと主張しているが、原発再稼働を主張する暇があったら放射能汚染水ダダ漏れの福一原発貯水槽の現状に警鐘を鳴らすべきだった。


 


 福一原発事故があって既に二年以上が経過したにも拘らず、放射能汚染水の保管が地面に穴を掘って防水シートを張り巡らした「簡易貯水槽」で対応している現実には驚きを隠せない。この国の原子力管理や放射性廃棄物の管理は一体どうなっているのだろうか。


 環境省は一体どのような管理指導をして来たのだろうか。そして経産省は東電の放射能水除染と汚染水管理に関して適宜指導して来たのだろうか。


 


 福一原発は明日にでも終息して、放射能汚染水は一月と経たないうちに自然と跡形もなくなるのではない。一体いつになれば収束するのかさえ分からず、そもそも核燃料がメルトスルーして何処にあるのかすら分かっていない。


 また溶解した核燃料の所在が判明したところで、それを回収して新たな放射性物質が大量に拡散するのを止めたとしても、壊れた原子炉を撤去するなりセメントで固めて覆うにしろ、30年以上もかかるのは米国のスリーマイル島原発事故処理の経験で分かっている。


 


 つまり汚染水貯蔵槽にしろ汚染水処理装置にしろ配電盤などの電気供給装置にしろ、恒久的な施設が必要なのは解り切っているのに、場当たり的な急場しのぎで対応して再臨界の危機に日本国民を陥れたり、更に放射能ダダ漏れを起こしている状況は一体何だろうか。


 官僚や政府要人は永田町や霞ヶ関にふんぞり返って、東電の担当者から耳に心地よい説明を聞いているだけなのではないか。彼らは放射能汚染は過ぎ去った過去のものと勘違いしているのではないだろうか。


 


 日々福一原発からおびただしい放射性物質が拡散されている。目に見えず臭いもないため放射能被曝の危機は去り、さも安全であるかのように政府は装っているが、そしてこの国のマスメディアも放射能汚染は日本の国土に広がり続け国民の健康を蝕んでいる現実から国民の目を逸らすのに一生懸命だ。


 挙句の果てに日本のエネルギー不足は産業の衰退を招く、と間違った推定の上に誤った産業衰退論を展開して国民に原発再稼働を受け容れるように脅している。こんなバカなマスメディアしかこの国には存在しないのかと怒りに震える。


 


 日本の未来を真摯に考えるなら、マスメディアは科学技術の粋を福一原発事故処理に投入すべきとの論陣を張り、国土強靭化よりもまずは放射能汚染の拡散防止に膨大な予算を投じて完璧な貯水槽建設や恒久的汚染水処理装置プラントの建設や送水管の鉛管化や働く人たちを放射能被曝から守るために万里の長城のようなブ厚いコンクリート壁で原子炉の一角を囲み、原子炉建屋も放射能の飛散を防ぐためにドームで覆うなどの対策が、2年以上も経過した現在実現していないのかを書き立てるべきではないか。


 


 そうした厳しい目を原発に向けた上で「エネルギー不足云々を、」というのならマスメディアの主張も少しは妥当性を持つかもしれない。しかし福一原発と放射能汚染に対する監視の目を欠落させたままワーワーと「原発再稼働だ」とガキのように喚くのは何処かから銭でも貰って書いているのだろう、と勘繰られるだけの程度の低いマスメディアだと自ら暴露するモノでしかない。


 腐り切ったマスメディアの中にも一人くらいはマトモな編集者なり記者がいても良いものだが。それは木に登りて水を求めるようなものなのだろうか。



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