安倍政権は本気で消費税を8㌫にするつもりか。
狂気の沙汰というしかない。安倍政権は本気で来年4月から消費税を8㌫にするつもりなのだろうか。
デフレ不況を克服するには単に増刷してマネーサプライを増やせば良いというものではない。確かに貨幣価格が下落すれば物価は上昇し、現象的にはデフレの克服のように見えるだろう。しかし問題なのはデフレ経済ではなく、デフレ不況だ。デフレ不況を克服しないでインフレ不況になって国民の担税力が増すわけではない。
インフレターゲットを決めるのは数㌫ものインフレを押さえ込むために2㌫とかを設定するのであって、デフレを克服するために2㌫のインフレターゲットを設定するというのは本末転倒だ。安倍政権は逆さまの経済対策を「強力に実施」し、日銀の総裁副総裁にも本末転倒の規律なき増刷トロイカ体制を送り込もうとしている。
デフレ克服に対する安倍政権の狂気の沙汰もここに極まり、俄か作りの経済成長戦略にも見るべきものは何もない。経済成長なきインフレは単なる悪性インフレに過ぎない。国民はインフレの物価高の上に、更に消費増税により可処分所得を巻き上げられる。
マスメディアは安倍政権の政策をアベノミクスと持ち上げているが、政策実現による効果はまだ何もない。ただ国際金融市場が円安方向へ揺れる環境にあったことと、安倍氏の口先介入がうまくマッチしたに過ぎない。
僥倖が一体いつまで続くのか判らないが、早晩アベノミクスの化けの皮が剥がれてしまうのは火を見るよりも明らかだ。そして残るのは悪性インフレだけだというのも、なんとなく透けて見えている。評論家たちはインフレ政策の出口戦略をどのように描いているのだろうか。方策を何も考えていないとすれば、これこそ「安倍のミス」というしかないだろう。