広島高裁が昨年12月の総選挙で「無効判決」を出した。
さて、どうするのか。国は控訴しなければ昨年12月で当選した候補者のうち2.4倍の格差のある選挙区では今年の11月26日を過ぎると当選が取り消され、再選挙という事態になるようだ。
政治家たちが自分たちの権利に胡坐をかいて、選挙制度の審議を先送りしていたツケが現れた。野田氏がやった解散だが、その誘いに乗った安倍氏にも責任の一端はある。
今後とも単純に一票の格差が問題になるような選挙制度を続けるつもりだろうか。そうすると地方から都市への人口移動が止まらない限り、恒常的に選挙区をいじくりまわさなければならないことになるし、結果として広大な選挙区を候補者が走り回らなければならなくなる。
それが間接民主主義としてあるべき姿なのか、疑問を抱かざるを得ない。都市の主張が政治に色濃く反映され、地方の声は政府に届き難くなっていくのは国家として良いことなのだろうか。
憲法改正も必要になるだろうが、人口の平等原理だけでなく地域の面積割も含めた選挙制度に改訂すべきではないだろうか。さもなくば選挙ごとに憲法違反の提訴が年中行事になってしまいかねない。
東京や大阪に国会議員が過密的に集中し、地方の選挙区とはいえ実質的に東京生まれ東京育ちの候補者が選挙のときだけ選挙区にやってきて「ふるさとの皆様」と声を張り上げるのにはウンザリする。そうした制度も改めるべきではないだろうか。バカバカしい制度や不合理な制度は大胆に改めようではないか。