TPP議論の誤魔化し。

  安倍政権は「聖域なき関税撤廃」でなければTPPに参加するという。これほど矮小化した議論の見本のようなものはないだろう。TPPの最大の問題点は完全な関税撤廃ではない。それよりも怖いのは「非関税障壁の撤廃にある」というのはTPPに慎重な学者や評論家たちの一致した意見だ。


 しかしこの国のマスメディアは「聖域なき関税の撤廃か否かがTPP参加の分かれ目だ」と議論を矮小化するのに余念がない。米国政府が「関税の撤廃に特例を設ける」と譲歩すればTPPに日本を引き摺り込めるというのならTPPは成ったも同然だ。


 


 農業関係の完全自由化ではない、コメに関する「聖域」を認めれば日本がTPPに参加するというのなら、米国にとって輸出産品として重要でもないコメに関して譲歩しても痛くも痒くもない。


 それより日米二国間条約に等しいTPPに日本を引き摺り込み、実質的に世界第一位と第二位の経済力を米国のハンドリングのままに動かせる利益のほうが計り知れない。日本には1000兆円を超える個人資産はもとより、日本国政府により積み上げられた医療保険制度や自賠責保険制度がある。それらを米国の保険会社が代行することになれば米国企業が手にする利益たるや莫大なものが予測されるだろう。


 


 米国はマトモな製造業が産業として成り立たない国に成り下がっている。かろうじて金融経済で国家・国民経済を回しているに過ぎない。


 それと同じことは中国にもいえる。中国が部品から製品まで一貫生産しているモノに何があるだろうか。中国は莫大な部品を輸入して組み立てて輸出しているに過ぎない。つまり水脹れの経済をすべてカウントして「世界第二位の経済大国だ」と虚勢を張っているに過ぎない。いわば張子の虎なのだが、中国はそうした惨めな国家の実態を認めようとしない。


 


 米国は国際基軸通貨を発行する国家として世界に君臨しているに過ぎない。その実態は全くの空っぽだ。かろうじて中身があるらしく見せかけているのは忠実なポチたる日本を従えているからに過ぎない。


 日本はモノ造りを忘れない、実体経済を伴う製造国だ。ただバカなマスメディアの煽動により海外投資、とりわけ中国投資へと過熱しただけだ。国内投資を怠ったために新卒就職率が極端に落ち、この国の基礎体力を削いでしまった。しかしこれからでも遅くはない。日本の企業が日本国内に回帰して投資を行えば雇用が回復し年収が増加し結婚意欲が若者に高まり、政府が適宜少子高齢化対策を行えば特殊出生率も回復するだろう。


 


 そのためには道州制の促進ではなく、二重行政の根絶と平成大合併により疲弊させられた周辺町村の分離独立を促進する法制化を行うべきだ。中山間地の町村が見捨てられれば、その地の社会インフラや国土の維持管理は政府の新たな税投入先を創設することに他ならない。


 国民がこの国の全土に張り付いて生活してこそ国土の健全性は保てるのだ。いかに高規格の道路が整備されようと、山間地の橋が一つ崩落しても道路全体の「安全性」と「信頼性」は地に堕ちるだろう。


 


 町村を疎かにした自公時代の「平成の大合併」はこの国を根本的なところで破壊している。過ちをあらたむるに憚る事勿れ、だ。国土をグチャグチャにした平成の大合併の行き過ぎた部分の手直しを行うべきだ。



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