いわれなき「円安」に対する国際的な批判に反論すべきだ。

  政府が為替相場に口を挟むかのような不用意な発言を厳に慎むのは論を俟たないが、日本を除く世界通貨発行当局が通貨発行量を異常なほど増やして来たのは明らかになっている。米国などはオバマ大統領が「米国への失業の輸出は許さない」として米国中央銀行と一緒になってドルをジャブジャブ発行してドル安政策を行ってきた。


 同様にユーロもユーロ圏内に抱える出来の悪い国を支えるためにその国の国債を買い支えるためにユーロをジャブジャブと刷り続けている。世界通貨に躍り出ようとしている中国も外需依存度の高い中国経済の高度成長を維持するために輸出を容易にするために元安政策を中国政府主導で行い元を増刷して来た。そうした中で日本だけが「通貨の番人」日銀が円の増刷に対して慎重に推移して来たため、世界の投機家たちによって資金の避難場所として円が狙われ買い進められて超円高に日本経済は喘いでいた。


 


 今日のいびつな為替相場を作ったのは国際通貨発行国政府・連合体と通貨発行当局の安易な通貨政策と投機家たちの「通貨に対する投機買い」にあったことは間違いない。そうした国際的な通貨構造を温存したまま「政策による通貨相場を思惑によって動かすのは止めようネ」と申し合わせたところで何も解決するわけもない。


 しかし日本を除く世界各国は自国の通貨安による外需を国内経済対策の一環と位置付けて国内政策をやってきた経緯がある。それを反省しないで日本が周回遅れで「円安政策」を宣言したことで「自国通貨安政策は黙ってやるものだよ」と、コソコソと陰口を叩いているようだ。


 


 そもそも為替相場は経済政策の一環に位置づけられるべきものではない。米国のオバマ氏が8年前に「米国への失業の輸出は許さない」とドル安政策へと舵を切った時に世界各国は米国を批判すべきだった。ユーロ圏内の不良債権国が悶着を引き起こした時にユーロ圏を形成している各国はユーロ圏内の問題として処理すべきだった。通貨統合だけ果たして政府統合も金融統合も遅々として進んでない状況こそが問題なのだ。ユーロ圏内の経済格差が問題を起こすのではないかという懸念は当初からあったし、懸念は懸念のまま今日まで放置されている。


 


 そして問題とすべきは貿易取引額を遥かに超える投機資金による「通貨投機」ではないだろうか。貿易決済を公正に行うための為替相場を経済力による自動的な相場形成ではなく、投棄による通貨の価格形成は為替相場本来の役目を歪なものにしている。それは投機家たちによる通貨売買が「儲けの実現」手段と化し為替相場そのものをマネーゲームのグランドに貶めている現状の改革を行わなければならない、という提起がなされなければならないということだ。


 


 日本でも銀行などによる「FXでひと儲け」などと通貨への投機を勧誘している。相場があれば何人が相場に介入して思惑売買をしても構わない、という現状は改めるべきだ。株式取引での「空取引」は禁止されているが、貿易実態を伴わない投機資金の為替相場への流入を看過するのは間違いではないだろうか。貿易手形の決済の場だった為替相場が投機家たちの一獲千金の投機の場と化している現状こそが大問題なのだ。たとえ米国の投機家たちが儲けていても、国際基軸通貨発行国の米国が音頭を取って投機家たちを為替相場から追い出すべきではないだろうか。一説によると今回の「円安」により円を売り浴びせている投機家たちが濡れ手に粟のぼろ儲けをしているという。


 


 投機家たちが儲けようが損をしようが勝手だが、為替相場を投機の場なす、いわば壷振りの茣蓙とするようなことは禁止すべきだ。そうした提案なしに通貨諸国が批判しあっても所詮は目くそ鼻くその議論でしかない。



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