政治の「大政翼賛」化は危険だ。

  民主主義とは手続きの政治だともいわれる。民主的な手続きが行われることで政治目的が明確になり、税の使途が明確化していく。


 13兆円もの補正予算が参議院を通過した。本来なら16議席ほど自公政権は過半数に届かないはずだが、維新の会や国民新党やみどりの党などの協力を得たという。つまり彼らは選挙で有権者から託された意図と本会議で表明した議員の意思とネジレていることになる。それが誠実な政治家の態度だろうか。


 


 13兆円もの補正予算がともかく国会を通過した。それを待っていたかのように全国の地方自治体は臨時議会を開いて補正予算を議決している。


 しかしどんなに急いでも、正味一月で13兆円は消化できるものではない。特に4兆円を超える公共事業はこれまで通年分に匹敵する額だ。物理的にも無理なのは承知の上で巨額な公共事業を全国にばら撒いているが、マスメディアは一切批判しない。


 


 国土強靭化と称する公共事業は曲者だ。既に全国的にセメントは奪い合いとなり、コンクリートの中に入れる丸棒も不足している。砂に到っては海砂すら生産が追いつかない状態だという。


 しかし実際にどれほど事業を行うつもりなのか疑わしい。つまり復興基金のように各種様々な「基金」を作ってシロアリたちの巣窟を用意しただけではないかという声も漏れてくる。国庫は借入証書の山にして穴埋めに国民に税を課し、それを管理運営している官僚たちは政治家を掌で操って「おざなりの減給」で誤魔化して豪華な別荘造りに勤しんでいる。


 


 安倍自民党政権を異常なほどマスメディアは持ち上げている。子供手当てに使うのはばら撒きだが、消化しきれないほどの集中豪雨のような公共事業はアベノミクスだとワケのわからない説明に終始している。


 特殊出生率1.39の国に未来があるとでも思っているのだろうか。国民が劇的に減少し始めるまでタイムリミットはそれほど残されていない。家屋でも人が棲まなくなるとアッというまに白蟻の巣になって崩壊する。一体いつまで官僚の演出する政治ごっこと国民は付き合えば良いのだろうか。


 


 官僚の御用機関となったこの国のマスメディアに「改革」を唱える資格はない。民主党の「子供手当て」と自民党の「国土強靭化」と称する地方の高速道路や新幹線の延伸とどちらが未来に対する投資なのか、少しでもまじめに考えれば解る話だ。


 単純明快な子供手当てには「基金」や「外郭団体」を創設する余地はないが、消化しきれないほどのジャブジャブな公共事業のばら撒きには全国の「外郭団体」は目の色を変えて自民党詣でを始めている。これでも民主党が反故にした「子供手当て」は下らない政策で、アベノミクスは素晴らしいのか。


 


 しかも嗅覚の敏感な小鼠のように「こっちの方が選挙に有利だ」と、ワッと自公政権に駆け寄る政治家たちの姿には節操のなさというよりも人格を疑わざるを得ない。彼らの多くは「地方の首長」経験者だが、地方がどうなっているのか良くご存知のはずだ。それでも「大政翼賛」的な官僚政治の傘下に加わるのが心地良いのか。有権者を裏切るのもいい加減にしてもらいたいし、「大政翼賛」政治の危険性に警鐘を鳴らすべき言論界が官僚の広報機関に堕していては、国民はハメルーンの笛の音に操られて滅亡の海に突き落とされても死ぬまで気づかないのかもしれない。



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