民主党を無責任な野党にしたのはこの国のマスメディアだ。

  評価すべきものも評価しないで闇雲に自民党的な政治の幻想を民主党政権に追い求めたマスメディアにこそこの国の政治を翼賛的なものに貶めた責任がある。


 この国の政治が翼賛的なものに偏った状況はかつてない。国民の過半数が反対する「消費増税」や「TPP参加」や「原発再稼動」に正面から「ノー」と言う政治家が何人いるだろうか。


 


 政治家の常識と国民の常識がこれほど乖離したことがかつてあっただろうか。その責任は誤魔化しを繰り返し報道し国民世論を誘導したマスメディアにある。


 たとえば「消費増税」は国民すべてが広く薄く負担する良い増税で、それにより社会保障の財源にする、という飛んでもない論理を国民に浸透させたのはこの国のマスメディアだ。


 


 消費税は広く薄く国民すべてに税を負担させる、というのは誤魔化しだ。所得のない人たちも、たとえば子供や病気で臥せっている人たちに課税されないのは当たり前だが、消費税は彼らが口にする食物や医療費にも税として潜り込んで強制的に徴収している。これほど強制的な税は他に見当たらないほど、貧乏人にも所得のない人にも(つまり担税力のない人たちにも)税負担させる。それを財源として富の再配分であるべき社会保障費に充当する、というのは本末転倒ではないだろうか。


 


 そうした議論はついぞ見かけないまま、この国のマスメディアは「消費増税」こそ正義である、とでもいうかのように民主党野田政権の狂気の沙汰を「決められる政治」と持ち上げて、選挙前には梯子を外して地上どころか地下まで落としてしまった。


 民主党が自民党の真似をしたのだ。野田氏は「泥鰌は金魚になれない」とかウスラトンカチな詩を引用して悦に入っていたが、「消費増税」に舵を切って自民党に擦り寄ったのは泥鰌が金魚になりたいと思ったのとなんら変わらない。民主党政権はどこまでも2009マニフェストの実現に向かって突き進むべきだった。


 


 野田氏たちや菅氏たちや岡田氏たちや前原氏たちを追放しない限り、民主党は自民党になろうとした似非政党だ。この国のマスメディアは民主党政権をブチ壊して自民党を圧勝させた。今度は麻生氏が10兆円を越える財政出動しようと「財源」論はおくびにも出さず、新年度予算が前年度を下回ったと持ち上げて見せる。今年の3月までに消化しきれないほどの公共事業費を先食いしたのに言及もせず、実に愚かな評論を繰り広げている。


 


 アベノミクスは絵に描いた餅だ。その真価はこれから問われる。民主党は体勢を立て直して攻撃準備をしなければならないが、党内に似非民主党の自民党になりたかった連中を抱えたまま何処へ行こうとしているのか解らないでいるのが現状だろう。民主党が滅びようがどうなろうが勝手だが、少なくとも民主党への政権交替に希望を託した多くの国民に対して、民主党の国会議員たちは総括をし謝罪しなければならない。党内内輪の話で終えてはならない、という視点すら持てないのなら、何をか況やである。



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