言葉だけの「対北制裁」ではなく、具体的に何が出来るのか。

  対北制裁で日米は拳を振り上げて「怒って見せて」いるが、具体的に何が出来るというのだろうか。日本は既に北朝鮮に対して出来うる限りの制裁を実施している。物資や送金の停止や人的交流の制限を行い、これ以上北朝鮮政府に影響を及ぼす措置があるのか。米国も出来うる限りの制裁は既に実施していて、現在では米国内の北朝鮮政府高官の個人口座の凍結を行う程度のカードしか残っていない。


 


 つまり日米が「怒って見せても」北朝鮮はナントモないのだ。北朝鮮幹部たちの金融財産の大半は米国ではなくスイスへ移している。せいぜい国連本部詰めの国連大使への送金程度しかないだろう。


 その一方で北朝鮮と国境を接する中ロは北朝鮮を支援してきた経緯がある。つまり北朝鮮の今日の暴走を後押ししてきた犯人は中ロの二ヶ国だ。この二ヶ国がどの程度本気で制裁に踏み切るかにかかっているといえる。


 


 たとえば中国は北朝鮮の貿易の7、8割を占め、北朝鮮の地下資源を手に入れる掘削利権と引き換えに中国国境に近い北朝鮮西北部の経済開発に投資して来た。


 ロシアは北朝鮮の政府派遣の労働者を受け入れ、シベリア森林開発に従事させて労働対価を北朝鮮政府に支払って来た。世界が北朝鮮に対して制裁を加えれば加えるほど、中ロは割安に北朝鮮と取引をして利益を上げてきた。その二ヶ国がどうするのかにかかっているといえるだろう。


 


 しかし中ロが北朝鮮への制裁に踏み切るには北朝鮮の暴発に備えなければならない。これまで北朝鮮の生命線を握られ、北朝鮮は中ロに大して有利な取引に甘んじてきた経緯がある。その蛇口を閉められれば北朝鮮は素直に頓死するのか、それとも憎さ百倍の近親憎悪を向けられるヤケクソの攻撃を受ける可能性が強くて怖くもあるだろう。特に中国は首都北京はワシントンへ向けて超距離ミサイルを支度するまでもなく、固形燃料の短距離ミサイルで十分に届く距離にある。


 


 漁夫の利を手にしていると思ってセッセと安い対価で北朝鮮利権を手に入れて来た中国政府は対北の溜まりに溜まったツケを払う番がやって来た。「対北制裁」の実効性を上げるには北朝鮮の暴発というリスクをどこまで中ロが犯すかにある。


 米国もこれまで世界の各地で実施してきたように、特殊部隊を北朝鮮内部へ派遣してピンポイントで金一族と軍幹部を殲滅するのか。それとも巡航ミサイルでミサイル基地や核施設を破壊するのか。そうした荒療治をする他に効果的な「対北制裁」の選択肢は米国の手中に残っていないはずだが。



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