「消費増税」を容認した連合の姿勢こそが民主党を今日の姿に堕した元凶だ。
自公と政策協議をもっと積極的にすべきだ、と経済団体ではなく連合が発言したという。自公と何に関して政策協議をしようというのだろうか。
連合とはそもそも何なのだろうか。バブル崩壊以降、働く者の生活が一貫して困窮していくのに、どれほど支える活動を展開しただろうか。連合を構成する下部組織の多くが正規社員からなるためか、非正規やパート・アルバイトの労働環境改善にそれほど熱心とは思えない。
さらにいえば、菅・野田民主党が「消費増税」へと舵を切ったときに、連合は明確に反対しただろうか。働く者の生活を守るために労働者から組合費を天引きして「専従」達はノウノウと組合活動に勤しめるのだ。
菅・野田民主党が本来の民主党から逸脱して自公と「野合三党合意」してまで「消費増税」議決へと狂気の政策選択をした際に、連合は「止めろ」と民主党に働きかけただろうか。連合幹部たちは下部組織組合に対して自分たちの行動をキッチリと説明できるのだろうか。
更にいえば、自公は軽減税率の導入を10㌫まで先送りすることにした。これで日本の消費税はスウェーデンよりも実質高税率となる。なぜならスウェーデンの消費税率は20数㌫と高いものの食料品や医療費などに関しては7㌫の税率になっている。つまりすべての品目に8㌫の消費税が課されることになる来年四月に、日本の消費税は世界一の高税率となる。ちなみに10数㌫の消費税を課している英国は食料品や医療費や教育費の消費税は無税だ。既に英国との比較では現段階で、あらゆる品目に5㌫税率を課している日本の消費税は貧乏人に厳しい生活必需品に関しては世界でも高税率の部類に属している。
そのことは国税収入に占める消費税の割合で比較すると、そのことは明白に理解されるだろう。日本の消費税は欧州諸国の消費税と同じか、より高い22㌫ほどに達している。それでも消費税率10㌫を目指すという税制が正しいと連合の諸君は思っているのだろうか。なぜ阻止しようとしないのだろうか。
そうした分析を連合はキッチリとしているのだろうか。それでも自公と積極的に政策協議をしたいとホザクのだろうか。連合に民主的な役員選出機能が働いているのか疑わざるを得ない。なぜなら労働組合の役員選出に民主的な手続きが確保されていると思えないからだ。特定の人物が専従を何年も何年も続けている労働組合が全国にゴマンとある。彼らは「労働貴族」と呼ばれている。
労働者の暮らしを守れない連合幹部は反省して身を退くべきだ。労働組合の専従諸君も組合員の暮らしを守れないのなら反省して職場へ帰ることだ。いつまでも既得権益に胡坐をかいて惰眠を貪ってはならない。そして自公に浮気をするのではなく、野党の戦線統一にこそ全力を注ぐべきだ。ここまで堕落した民主党にキッチリと反省を求め、小沢氏たちと復縁を促すのが最大の任務ではないだろうか。