摩訶不思議な日本の政治風景。

  サラリーマンの平均昼食代が510円となり、これは30年前と同じ水準だという。世間に格安の牛丼屋やハンバーガー店などが展開して、それほど金をかけずに昼食が摂れるからかも知れないが、昼食から宴会のようだったバブル期とは明らかに様変わりして久しい。


 デフレ経済は深刻化し、その元凶は国民所得の減少にあるのは明確になっている。こうした場合の政策は「減税」と「財政出動」だと経済学の教科書には書いてある。


 


 安倍政権は「財政出動」に関しては実に熱心だ。何年かぶりという公共事業の急拡大には驚くし、縮小傾向だった防衛予算が反転増額した。


 しかしその一方で庶民生活を狙い撃ちする「消費増税」や、都会の一般庶民も納税者になる「相続課税基礎控除額の引き下げ」が断行される。だが、チョウ金持ちには孫一人当たり1500万円まで「就学援助」理由なら贈与しても非課税とする、というのだ。世代を超えた富の移転がこうも易々と認められると格差社会の温存化に繋がる。富める者の孫は労せずして富を手にし、富めない者の孫は富める者の孫を横目にバイトに勤しまなければならない。


 


 生活保護費も引き下げられることになった。生活保護費受給者の96㌫の人たちが該当し、7㌫から10㌫引き下げられることになるという。


 社会保障とは富の再配分機能が基本だが、安倍政権は社会保障の充足した社会から、競争原理社会へと日本を変えようとしているかのようだ。それを単に大きな政府だ、いや小さな政府だ、というのは格差是正議論を封じるものでしかない。


 


 デフレ経済からの脱却には安倍政権が今やっている「公共事業便りの財政出動」では単に物価高を招くだけで経済成長に殆ど寄与しないのはこれまでの政府主導による経済刺激策がことごとく失敗してきた歴史が証明している。


 国民の可処分所得を増やすことがデフレ脱却の基本的な処方箋だ。そのための合理的なばら撒きとして最低保障年金一律支給や最低賃金の引き上げなどが上げられるが、そうした底辺を形成する人たちの所得を改善しようとする方向ではなく、すべての品目に8㌫という高消費税を課すことによって更に貧困層の暮らしを直撃しようとしている。


 


 それでも朝刊各紙では安倍政権の支持率が66㌫や68㌫だと、先週末に実施したという世論調査を掲載している。その理由として日銀を政府の金融政策に合意させたからだという。国民が自分たちのインカムに全く関係のない金融政策に強い関心を持ち、日銀の独立性を脅かす劇薬を安倍政権が手にしたことに危機感を全く覚えていない、というのは「本当だろうか」と疑いの眼差しを向けるのは私だけだろうか。本当に国民は安倍政権の貧困層直撃増税・援助削減政策を歓迎しているのだろうか。摩訶不思議な日本の政治風景だ。



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