究極のポピュリズムはマスメディア主導による世論作りだ。
民主党政権を貶め続けたマスメディアの目論み通り、民主党大敗により総選挙は終えた。すると今度は「再稼動、TPP判断急務」(12/19読売新聞一面大見出し)と総選挙の間は争点から隠していた問題をさっそく提起してきた。国民は「再稼動、TPP」に関して過半数が反対を表明していたが、自公は選挙ではあえて原発やTPPには触れず、国民受けする「景気対策」やデフレ脱却だけを声高に叫んでいた。
選挙当初には国防軍や憲法改正も主張していたが、選挙戦もたけなわになると安倍氏の口からそうした文言は聞かれなくなり「デフレ脱却に日銀は責任を果たすべきだ」と至極当たり前(英国ではインフレターゲットを達成できなかった場合は通貨当局は説明しなければならない)ことだが、日本だけが独立して経済界の遥か上空を神か何かのように浮遊しているかのようだった。そうした国民生活に対して無責任な機関は民主主義国家では不要なものだ。
マスメディアは選挙前から原発やTPPを隠していたが、選挙が終わるや「判断を早くしろ」と政府に迫るとは実に好い加減なものだ。そして、自公も選挙期間中は無責任な言動に終始していた。自民党の3年間安全性を検証して判断する、とは一体なんだろうか。
一見分かったような話のように見えるが、しかしどんな基準に基づいて何を検証するというのだろうか。これまでの安全神話が崩れたにも拘らず、安全性を検証するとは三百代言というものだ。そんな誤魔化しをマスメディアは黙認して、選挙が終わるや「早急に判断しろ」と迫る。これこそポピュリズムというものではないか。大衆迎合とは政治家を馬鹿にしたものだが、マスメディアが行っているのは大衆誘導という国民を馬鹿にしたポピュリズムだ。
いよいよ国民は目を覚ますべきだ。原発はなくても電気は作れるが、放射能汚染された郷土は容易に甦らない。放射能被爆した国民の健康は二度と取り戻せない。
かつて独立国家の三要件とは軍事的支配と徴税権と関税自主権を挙げていた。その重要な関税自主権を放擲するのみならず、国家の制度や歴史や文化にまで土足で踏み込むようなTPPに参加する必要があるのだろうか。僅か数㌫の工業輸出製品の関税がそれほど貿易の障害になっているのだろうか。冷静に判断すべきだ。
マスメディアによる世論誘導にはくれぐれも惑わされないことだ。