小沢嫌いな「政治評論家」は誰のために存在するのか。

  政治家が政治的な動きをするのは至極当然なことだ。政治が力を必要とするなら数を頼みにするだけで良いが、そこに哲学や理念がなければ単なる政治屋になり果てるだろう。


 民主党を鳩山氏や小沢氏たちから乗っ取った菅・野田一派にどのような政治哲学や理念があったというのだろうか。隷米主義にして官僚丸投げ政策で、民主党政治は野田氏のいうように野田政権下で「前進」したのだろうか。


 


 まず巨悪なシロアリ退治はどうだろう。菅・野田政権下で官僚の天下りは根絶したのだろうか。現実はむしろ自民党政権末期よりも酷いことになっている。カネに関しても復興庁という別荘を霞ヶ関に建てて復興資金という蜜まで用意したからシロアリたちは群がってアッという間に数兆円もの「被災復興予算とはいい難い」費目にジャブジャブ使われてしまった。菅・野田政権の無能・無策ぶりは官僚たちにとって絶好の餌食だった。


 


 その菅・野田政権をそれほど悪くいわない屋山氏はこと小沢氏に関しては敵意剥き出しに根拠のない空想を繰り広げる。


 未来の党分党は政党助成金目当てだとバカな勘繰りをしている。政党助成金が目当てなら分党しないで党代表の首を挿げ替えれば済むことだ。未来の党の国会議員で小沢派でないのは社民党からただ一人で移った阿部氏だけだ。小沢氏たちは阿部氏をなんなら党から追い出す特別動議でも何でも出来る立場にある。それでも未来の党に彼らの政党助成金が残るような手立てを講じて分党するというのだ。民主党の野田氏たちは小沢氏たちの政党助成金までもネコババしたままではないか。屋山氏の詭弁も語るに落ちたというしかない。


 


 さらに屋山氏は妄想を繰り広げて小沢氏が輿石氏や海江田氏たちと組んで野田一派を民主党から追い出して乗っ取るつもりだ、とまで書いている。たとえそれが実際に起こったとして、小沢氏たちが乗っ取るのではなく、乗っ取られた第二自民党の傀儡政治家から民主党を取り戻すことになりはしないか。そして鳩山氏を最高顧問に迎え入れれば、褒められこそすれ非難されることは何もない。党の創設者を放逐して、のうのうと居座っている方がどうかしている。


 


 屋山氏にそうした価値観はないようだ。自民党応援団の立場に立てば小沢氏が復権するのが何よりも怖いのだろう。しかし国民にしてみれば安倍氏の狂気の経済政策が何よりも怖い。彼は根拠なき増刷と財源の裏打ちなき「本当のバラマキ」を10兆円も補正予算で行うつもりだ。すでに国債発行枠44兆円は関係ない、とのたまっている。かつて小泉氏が30兆円国債発行枠の公約を破って国債を乱発した際に、野党から追及されて「30兆円枠の公約を破ることなど小さなことだ」と野党議員を小馬鹿にしてみせた。しかし攻守所を変えると民主党の子供手当や高速道路無料化など12兆円をバラマキだと批判の大合唱をした。そして政権に復帰すると「国土強靭化」公共投資だと国債乱発を打ち出した。屋山氏が批判の目を向けるべきは自民党の場当たり的なご都合主義ではないだろうか。


 


 小沢氏たちがたとえ野田一派が追放された民主党に復帰したとして、いかなる不都合があるというのだろうか。それこそ政界の離合散集は世の常だ。離合散集のない共産党や公明党や自民党の方がおかしいと思うべきだ。


 なぜ彼らは離合集散をしないのだろうか。政治哲学や政治理念で堅く結びついているからなのか、それとも利権ムラの住人として甘い蜜から離れられないのか。そこに斬り込むのが政治評論家の本来の使命だが、既にマスメディアの幇間に堕している政治評論家なら斬り込む刀は錆ついて使いモノにならなくなっているだろう。



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