下劣なマスメディアを見習わないように。
朝日と橋下氏とがバトルを演じているという。その発端は10/16発売の週刊朝日で「ハシシタ 奴の本性」という連載記事だそうだ。その中で橋下氏の出自や先祖など血縁関係まで洗い出して橋下氏を人格攻撃しているもののようだ。
それに対して橋下氏は「朝日新聞や朝日テレビの取材や質問には一切答えない」と宣言したという。
確かに日本のマスメディアは下劣そのものに成り下がっている。官僚の広報紙に堕して国民の声を拡散するよりも官僚の広告宣伝活動に専念している。格好の例が「消費増税」だ。国会で法案が成立するまでは「消費増税」の内容の報道は殆どなく三党野合の推移と小沢氏排除の活劇を面白おかしく報道してきた。
だが「消費増税」が成立するや、一転して景気に与える影響や貧困世帯に対する軽減措置に関して報じ始めた。小沢氏の一件も離党するとそれで落着とばかり報道の舞台から消えてしまった。そして民主党対自民党のバトルが始まったと国民の視線を逸らせるのに懸命だ。民主党も自民党も「消費増税」に関しては同じ穴の狢で、どっちに転んでも国民にとっては悪夢に過ぎないが、いかにも政治の局面が大きく変化するかのような扱いだ。
一体民主党と自民党で政策のどこが異なるというのだろうか。「消費増税」も「TPP参加」も「脱原発反対」も同じではないか。さらに官僚依存、もしくは官僚丸投げ政党という面では双生児を見ているようだ。
そうしたことは一切報じないで、橋下氏を第三極(つまり民主党が第一極で自民党と公明党が第二極と規定した場合)として持て囃しているが、政策面では民主党と自民党とどこが異なるというのだろうか。それらはすべて第一極に過ぎない。
そうした真実の報道を凌ぎを削ってやるのなら喧嘩三昧も一向に構わないが、橋下氏の出自がどうだ、父親がどうだと、それらが政治とどう関係があるというのだろうか。
在日の方々でも日本に帰化された方なら日本人と同等の権利義務を有する。だから誰々は在日だ、いや帰化人だと差別するのは品性下劣というしかない。ネットの中にも在日だナンダと論う文言が散見されるが、そうした文言を散りばめる人たちこそ品性下劣だと告白していることを自覚すべきだ。決して朝日を見習ってはならない。
日本人で海外へ移住されてそこの国民として活躍されている方々も、日本で在日だと差別されているように日系移民だと差別されているのではないかと心が痛む。橋下氏の出自がどうであれ、彼が批判されるべきは彼の政治理念と政治行動であるべきだ。それ以外の彼の人としての属性をあげつらうのはアンフェアだ。そのアンフェアなことを朝日は行っている。反省すべきは朝日だが、それに感情的なって「朝日の取材は受け付けない」と雄叫びを上げる橋下氏も戴けない。
小沢氏はこの国のマスメディアのすべてによって三年有余も人格攻撃を受けてきた。それでも彼は橋下氏のように激昂したりしなかった。薄汚いマスメディア関係者たちよ、あなた方はいかにして小沢氏に贖罪を求めるつもりだろうか。