今の中国は張子の虎だが、決して侮ってはならない。
中国の軍事予算は表に表れているだけでも毎年10㌫近い伸びを示している。それらのすべてが軍備に廻されるとは思わないが、中国軍が毎年装備を近代化しているのも事実だ。
翻って、日本の軍備費は抑制され続けている。これではいつの日にか中国と軍事力において逆転するのではないかと危惧する。相手が弱いと判れば、中国は敢然と攻撃を仕掛けるだろう。
中国経済も張子の虎だということは次第に日本の経済学者にも解ってきたようだ。GDPの実に36㌫を占める貿易もそのほとんどは加工貿易に過ぎず、部品の大半を日本を含む諸外国から購入して安い手間賃で組み立てて輸出しているに過ぎない。
しかも中国の経済統計にはすべての経済活動が算入され、たとえば売れていないマンションも完成さえすれば経済統計の数字に加算される。だから、政府の「経済成長8㌫を死守せよ」との厳命を受ければ、たとえ手抜き工事でも何でも良いから高層マンションが何処にでも出現する。それらの入居率がどうであれ、経済統計には反映されない。
中国はまさしく張子の虎だ。軍事面でも艦載機を持たない空母を「就役」させると公言するトンチンカン振りには笑えて来るが、それが実体を伴う日が来ないとも限らない。つまり中国には空母を旗艦とする連合艦隊を持とうとする意思があることを示している、と見るべきなのだろう。
日本はいつまで半世紀以上も昔の敗戦ショックを引き摺っているのだろうか。耳に胼胝が出来た「軍事力放棄」の憲法を一日も早く改正して、世界の普通の国家として自国防衛ぐらいは自前の軍隊でやれるようにすべきだ。空母を旗艦とする連合艦隊を少なくとも3群は擁して、東南アジア諸国と連携を取って膨張主義を放棄しない中国と対峙しなければならない。
国際的な友好関係は対等に戦える軍事力を持ってこそ、初めて有効に機能する。片手で握手をしても、片手は硬く握り拳を握っているのが外交の常識だ。武力は相手を威圧するために保持するのではなく、戦争にならないように予防するためにこそ必要なのだ。