喧嘩をしていた生徒が先生の前で叱られたようだが、

  米国を訪れている玄葉外務大臣はクリントン国務長官と韓国の金星煥外交通商相を交えた日米韓外相会談を行ったようだ。そこで日・米・韓は協力関係を深めて北朝鮮や中国と対峙して行くべきだと日・韓の竹島問題で溝を深めることなく大局観に立つように求められたという。


 確かに大局観は大事だ。極東の安定のためには米国と同盟関係にある隣国同士で争い不安定化するよりも、日韓が緊密な協力関係にあることが望ましいだろう。しかしそれは米国の立場でのことに過ぎない。


 


 そもそも日本が中国や北朝鮮と対立し、何らかの共通利益に対して敵対関係にあるのではない。米国が半島の共産化を恐れて朝鮮戦争に介入し、北朝鮮を後押ししていた中国と衝突したに過ぎない。現在も半島は38度線をはさんで敵対関係にある。


 しかし分断された半島にどれほどの正統性があるのだろうか。ドイツもかつては東西に分断されていた。だがドイツ国民は西ドイツに併呑されることにより国家統一を果たした。朝鮮が南北で対立しているのは米国と中国の都合に過ぎない。それに日本が加わる必然性がどれほどあるというのだろうか。


 


 かつてドミノ理論が世界の東西冷戦構造を支えていた。どちらかの衛星国が相手国の陣営に落ちれば次々と自由化もしくは共産化していくという考え方だ。それにより米国は共産主義の北ベトナムと自由国家南ベトナムの内戦に介入した。いわゆるベトナム戦争だが、結果として米国が肩入れした南ベトナムは敗退しベトナム全土はホーチミン氏の率いる北ベトナムに統一されたが、その余勢を駆ってベトナムが近隣諸国に共産化を求めて攻め込んではいない。つまり米国と旧ソ連が影のように怯えたドミノ理論は軍事勢力の唱える虚構に過ぎなかった。


 


 朝鮮半島が北により統一されようと南により統一されようと朝鮮人の問題だ。民族自決からいえば他国が大きな顔をして介入すべき話ではない。米国の論理による米国の世界戦略が現に存在する脅威として米国が捉えているとしたら、それも恐らく巨大な虚構に過ぎないだろう。日本の存立にどれほど関係があるというのだろうか。


 大局観に立つのは大切だ。日本にとって大局観に立つというのならば、長期戦略から見た場合の脅威は中国と韓国の「反日教育」だ。日本は中国と国交回復以来6兆円もODA等で経済協力をしてきたが、それが中国国民にどれほどの友好関係を築いたというのだろうか。韓国に対しても根拠もなく不相応に巨額な賠償金や援助をしてきたが、韓国民の反日意識の改善にいささかも寄与していない。何かあると両国は「小日本」と貶め日本に敵対する姿勢を露にする。それが日本の安全に対して大きな脅威であることを米国は理解していないというよりも、それを利用して日米安保体制に日本を誘導し、米国の世界戦略の捨て駒の一つに使っているのではないかと思えてならない。


 


 大局観に立つならば、日本は明確に中国と韓国の「反日教育」に抗議し続けなければならない。竹島問題や尖閣領有権に関して一歩も譲ってはならない。もちろんロシアに対しても北方四島を返還するまで火事場泥棒の盗人猛々しい国家だと非難し続けなければならない。そうした立場を明確にして他の東南アジア諸国と連携を密にして協力体制を構築することこそが日本の安全保障に繋がるという立場をとるべきだ。米国がかつて敵対した国家として嫌おうと、ベトナムとも協力すべきだし、フィリピンやインドネシアやインドなどとは真に協力関係を築いていかなければならない。


 


 一体、日本はいつまで米国の世界戦略の一環であり続けるつもりだろうか。太平洋の防波堤の一部として米国防の最前線という虚構の上に存在する陣取り戦争ごっこと付き合い、米軍の駐留を受け入れ続けるつもりだろうか。


 核戦争は地球の終わりを意味する。だから核のボタンを狂人から取り上げなければならないが、同時に備えるべきは通常兵力による侵攻だ。その尖兵が北方四島や竹島を既に占拠し、尖閣諸島を虎視眈々と狙っている。


 日本は毅然としてその非を世界に訴えると同時に、万全の軍備を整えなければならない。多大な経費負担をしている用心棒は所詮は本国の守備隊に過ぎないことを看破し、日本の防衛における米軍の限界を観念しなければならない。韓国が日本の領土を占拠しても、米国は大きな顔をして「日本と韓国は仲良くしろよ」と声を掛けるだけだ。そんな用心棒があってたまるか、と怒りを覚えるのは私だけだろうか。



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