原発リスクを負うのは立地自治体だけではない。
橋下氏が大飯原発再稼働に関して「おおい町」に対して原発リスクを地元が負うのに感謝の意を表明したという。地元は原発リスクに対して電源立地補助金を頂戴して、身の丈不相応な豪華施設を建設している。つまりそれなりの「迷惑料」を頂戴し、町予算の相当部分を補助金が占めてるものだから、今更やめられないというのが現実のようだ。
それにしても橋下氏の突如「原発再稼働」に転じた変わり身には驚かされた。再稼働は期間限定でなければならない、と橋下氏は訴えているが、大飯原発が夏場だけ稼働することになっていない。しかも、自民党は原子炉40年耐用年数を覆して、さらに20年の稼働を求めている。高放射線で原子炉内部の壁がどうなっているのか、科学的な検証もないまま耐用年数の延長は恐怖心すら抱く。
大飯原発再稼働によって「原子力ムラ」は守られることになった。既に高速道路無料化の2009マニフェストの撤回により「高速道路一家」も守られることになり、5社体制のうち4社の社長が打ち合わせたように今月末に交代するという。ていの良い官僚の天下りポストが温存されたわけだ。
民主党政権に交代して、官僚利権政治から脱却できると期待していたが、ものの見事に裏切られた。
この国は基本的なところで腐っている。政治家は国民のレベルを超えない、との箴言があるがまさしくその通りだと頷くしかない。
何のための政権交代だったのだろうか。野田氏やその仲間、さらには中間派といってフラフラしている連中は国民にどのように説明するつもりだろうか。
せめては小沢氏とその仲間に真正・民主党として頑張って頂くしかない。官僚支配によってこの国が白アリたちによって食い潰されないように願うばかりだ。