親分が「盗め」といえば乾分は無批判に盗むのか。
産経新聞で「岡田克也副総理は22日の記者会見で、離党の構えをみせる民主党の小沢一郎元代表のグループについて「全力を挙げて説得することが必要だ」と述べた。一方で「「国民からみたら理解不能だ。トップ(野田佳彦首相)が『政治生命を懸ける』と言っているのだから、懸命に支えるべきだ」と批判した。(以上引用)
それなら親分が「盗んで来い」と命じれば乾分たちは黙って盗むのか。国民は20年余に及ぶデフレ経済と信用収縮で困窮の極みにある。しかし財務官僚は平気な顔をして対前年増の予算を組み続けている。それで「金庫は空っぽで借金の証文ばかりですぜ」と親分に耳打ちする。だから国民の懐に手を突っ込んでカネを盗んで来い、と命じる。一般の国民が行えば窃盗罪だが、国が行えば「税」として罰に問われない。だから官僚は権益拡大のためにジャブジャブと歳出を増やし続けるのだ。
社会保障は年々増え続ける、と現行制度の瑕疵を告げないで、現象面だけを広報する。するとバカなマスメディアが国民に国家財政は大変だと危機感を煽る。遣り繰り上手というのは亭主の稼ぎの中で何とかするものだ。しかしこの国の財務官僚は「カネがないよ、盗ってキナ」と亭主の尻を叩く。何たることだろうか。
その挙句が岡田副総理の言葉になる。親分が命を懸けて「盗め」と言っているのだから、乾分たちも命を懸けて盗め、という。デフレ経済下に於いて有効な政策は何かは経済学の本に書いてある。「減税」と「金融緩和」だ。それと経済成長をあげれば国家財政の改善策となる。江戸時代、増税によって危機的な藩財政を立て直した藩はなかった。すべては殖産興業と経済成長で乗り切っている。今こそ必要なのは温故知新ではないだろうか。